「夜の海で産卵」の常識を覆す “日中”に産まれたサンゴがまた日中に産卵 美ら海水族館が世界初の成功
この時期、産卵のピークを迎えているサンゴ。沖縄の美ら海水族館がサンゴについて世界で初めて成功した取り組みがあります。 【写真を見る】「夜の海で産卵」の常識を覆す “日中”に産まれたサンゴがまた日中に産卵 美ら海水族館が世界初の成功 ー産卵している時間帯はいつかわかりますか? ▽美ら海水族館の来館者「わからない」「知らない」「夜?」 正解は「夜」。 サンゴが産卵するのは、自然界では5月から6月にかけての夜です。しかし、この常識をくつがえすできごとが。美ら海水族館では5月24日、サンゴの ”日中” の産卵に成功したのです。 「日中の産卵」に初めて成功したのは2020年で、今回が初めてではありません。実は今回産卵した親サンゴはその当時生まれたもので、「親も子も日中に生まれたサンゴ」が世界で初めてのこととなりました。 ▽沖縄美ら海水族館飼育員 永田史彦さん 「毎年サンゴの産卵が見たいという声が多く聞かれていて、なんとかお客様に実際に生で見ていただきたいという思いから、(取り組みが)始まりました」 「生まれたころは1ミリくらいしかなかった子がこんなに大きくなって、新しい生命を育んでくれたことに、喜びを感じています」 サンゴを日中に産卵させる秘密は「水槽の照明」にあります。昼間は暗くし、夜に照明をあて、昼と夜の時間をサンゴに勘違いさせることで、産卵のタイミングを調整しました。 ▽沖縄美ら海水族館飼育員 永田史彦さん 「さんごは小さい時はいろんな環境変化や季節変化で死んでしまうことが結構あるので、水槽環境を調整しながら飼育することは大変でした」 ▽来館者 「へー!世界初!すごいね、感動しました」「ちょっと不思議な感じがしました」 美ら海水族館では貴重な産卵の様子を多くの人に見てもらえるよう、今後もこの取り組みをつづけていくということです。 美ら海水族館ではサンゴの産卵から生い立ちなどを紹介する「サンゴ繁殖展」を6月16日まで開催していて、日中の産卵に成功した親サンゴも展示しています。(取材:RBCリポーター 黒島ゆりえ)
琉球放送