なぜ「ウォーターセブン」は海に沈むのか? 『ワンピ』空白の100年に隠された秘密
海面上昇の原因は地殻変動か?
『ONE PIECE』の世界には空島や「突き上げる海流(ノックアップストリーム)」のように、特異な地形や自然現象が存在します。これらは現実世界には存在しない類のものですが、海底火山地帯や「熱水鉱床」はリアルに存在する地形です。海水が煮えたぎる「熱々海(ねつねつかい)」や海底火山から吹き出るマグマによって海が熱せられ、海面から水蒸気が立ち上っている「ホットスポット」は荒唐無稽なものではなく、リアルの延長にある地形だといえるでしょう。 空島を除外すると、これらの地形には「ある共通点」がみられます。それは惑星の熱エネルギーが原因となって発生している点です。ホットスポットや熱々海は海底火山、熱水鉱床によって引き起こされている可能性が高く、ノックアップストリームは海底の空洞に流れ込んだ海水が熱せられて噴出したものと考えられます。 もしかしたらノックアップストリームは本来の『ONE PIECE』世界には存在せず、大量破壊兵器の使用後に形成された自然現象かもしれません。マグマに達する大穴によって海水が熱せられ、地中の空洞を通じて他の場所から天高く吹き上がっているのです。 きっと『ONE PIECE』世界の惑星は地殻変動の真っ最中にあるのでしょう。地殻が動いているからマグマが表出しているのです。そして本来なら1年間に数cm程度しか動かない地殻が急激に動いていることにより、さまざまな問題が発生しているという仮説が立てられます。 ●急激な地殻変動を引き起こす大量破壊兵器 イム様が使わせた大量破壊兵器によって、本来ならゆるやかに動くはずの地殻の変動が激しいものになっている可能性があります。 多くの考察者が確信を持って語るように、『ONE PIECE』世界では地形の名称と機能が乖離しているケースは多いです。『ONE PIECE』の地図上では斜めに走っている「赤い土の大陸(レッドライン)」は、本来は文字通り「赤道」であり、惑星の自転軸に垂直な平面を作るラインだったかもしれません。 つまり大量破壊兵器が穿(うが)った穴によって、茹で卵の殻がズルリと動くように地殻変動が発生し、大地が沈降し海水面が上昇している可能性があります。 この仮説が正しかった場合、「空白の100年」とは戦争によって地殻変動を誘発する大量破壊兵器が濫用された時代だったと考えられるでしょう。戦争終結後にこれ以上の兵器の使用は自分たちをも滅ぼしてしまうと危惧した勝者(後の天竜人)が、兵器と知識を封印した可能性が高いです。 よって天竜人が住まう聖地マリージョアは高地にあり、最高権力者は太古の地球にあった巨大な大陸と同名の「パンゲア」城に住まうのでしょう。地殻変動によってパンゲアから多くの大陸が分かたれ、現在の形になったのです。 優れた知能を持つベガパンクが研究の末に空白の100年に辿り着くのは必然でした。しかし沈みゆく世界を救う方法についてはまだ一切の目処がつきません。もしかしたら「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」にこそ、その答えがあるのかもしれません。
レトロ@長谷部 耕平