ミカン農家がドローン学校、園地で散布訓練 かんきつ栽培で普及促進、負担軽減を後押し
産業用ドローンの黎明期から携わり、業界に精通する虻川さんが加わったことで、宮本さんは「自分たちでスクールを開くのが現実的になった」と話す。3人は「農家目線で役に立つ知識や技術を伝えたい」と講習内容を練り、今年2月に開校した。 農業用ドローンの操縦に必要な資格を取るコースのほか、独自のノウハウを盛り込んだのが、かんきつ栽培に特化したコースだ。実用的な技術を習得してもらおうと、参加者は傾斜地にある農園で操縦訓練を行う。空中散布で使用できる農薬の知識も学べる。講習は1日で料金は11万円。 かんきつ園地で請負散布ができる技量を目指すコースも用意した。建設業など他業種のドローン操縦者も対象としており、担い手が減る農業に人材を呼び込む狙いだ。2日間の講習で料金は33万円。 「傾斜地での栽培は負担が大きく、耕作放棄地が拡大している」と宮本さん。ドローンの活用で効率化を図るとともに、若手人材の確保にもつなげて「持続的なかんきつ栽培を実現したい」と意気込む。