【解説】繰り返される“食べ物の誤飲”対策は リンゴを詰まらせ“園児死亡” 保育施設の給食で事故 東京・国分寺市
眠そうなときは事故リスク高まる
なぜ、保育園などで食べ物を詰まらせる事故が相次いでいるのだろうか。 2022年11月には東京・国分寺、そして2023年5月に愛媛で起きた事故。 その時に出されたリンゴの大きさは、国分寺では各辺約2cm・厚さ約3mmで、愛媛では長さ7mm・厚さ3mmのリンゴだった。 2つの事故はリンゴだったが、リンゴに限らず同様の事故は起きていて、注意が必要だ。 のどに詰まらせやすい食べ物について、国の事故防止ガイドラインでは、ミニトマトやうずら卵などの丸いものや、こんにゃくなどの弾力があるもの、豆類などのなめらかなもの、さらに白玉団子などの粘着性の高いものなどが挙げられている。 それ以外にも、塊肉のような硬いものやパンのような唾液を吸うもの、ブロッコリーのような口の中でバラバラしやすいものなどが挙げられていた。 国分寺の事故では、園児が食事中に眠くなる様子があったということだが、眠そうにしていると事故のリスクは高くなるのだろうか。 小児科医の山中龍宏さんによると、子どもが眠そうなときは、かみ切れていない食べ物が口の中に残っているため、小さい子どもだと、ふとしたことで泣いてしまい、その瞬間に息を吸ってしまうのと同時に、食べ物が気管に吸い込まれて、詰まってしまうという。 もし、のどに詰まってしまった場合、どうすればいいのだろうか。 東京消防庁によると、乳児がのどを詰まらせた場合には、2つのやり方がある。 1つ目が、背中をたたく「背部叩打法(はいぶこうだほう)」という方法で、2つ目が、腹部を圧迫する「腹部突き上げ法」だ。 「背部叩打法」では、うつぶせになった乳児の背中を強くたたいて、詰まったものを取り除く。 この背部叩打法で詰まったものが出なかったときは、1歳以上の場合は腹部突き上げ法を試すということだ。 詰まらせた際に実施する「背部叩打法」のくわしいやり方を見ていく。 まず、乳児をうつ伏せにし、足の間からおなか側に腕を通し状態を固定する。 手で乳児の下あごを支えて突き出し、上半身がやや低くなる体勢にし、手のひらの付け根で肩甲骨の間を4回~5回強くたたく。 この方法で異物が出なかった場合は、腹部突き上げ法を試すということだ。 この2つの方法については、東京消防庁の公式YouTubeチャンネルに動画が掲載されており、子どもの命を救うために、対処法を事前に確認しておくことが大切だ。 (「イット!」 5月22日放送より)
イット!