1回無死二塁、今宮は四球を選ぶ（撮影・栗木一考）

　◆日本生命セ・パ交流戦　ソフトバンク6―2阪神（15日、みずほペイペイドーム） 【記者コラム／好球筆打】 　結果的に、初回の攻防が勝敗を分けた。そんな試合ではなかったか。ともに先頭打者が安打を放って好機を演出。それを生かせずに無得点に終わった阪神が敗れ、きっちりと先取点につなげたホークスが勝利を収めた。 ■小久保監督の娘が艶やかドレス姿　ミス・アース東京代表任期終了を報告【写真】 　ポイントとなったのは「2番打者」だった。先攻の阪神は1番近本が三塁への内野安打で出塁し、2番中野の3球目に二盗に成功。好機は広がったものの、中野は左飛に倒れ、後続も打ち取られた。というより、ホークス先発東浜に三塁への進塁すら阻まれた。 　対して、後攻のホークスも1番周東が中前打で出塁し、2番今宮の初球に二盗を決めて無死二塁の好機をつくった。ここまでは先攻の阪神と同様の攻撃を〝たどった〟が、ここから先が違った。 　今宮は何とか走者を進めようと、右方向へのファウルで懸命に粘った。迎えた10球目。内角高めの直球をしっかりと見極め、四球で出塁。進塁打とはいかなかったが、無死一、二塁とむしろ好機は拡大し、5番近藤の先制3ランにつながった。 　「相手（先発ビーズリーの試合前まで）の防御率が0点台で、点を取るのは難しいと分かっていたので、最低でも進塁打と思って必死に粘った」 　今宮はそう振り返った。恐らく、相手2番打者の中野も同じ思いだっただろうが、仕事を果たしたのは今宮だった。最高の「つなぎ」だった。 （石田泰隆）