富田靖子&松下洸平「母と暮せば」が今夏再々演へ、栗山民也「語り継ぐことの大事さを」
「井上ひさし生誕90年第2弾 こまつ座 第150回公演『母と暮せば』」が、7月25日から28日まで大阪・SkyシアターMBS、8月18日から31日まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。 【舞台写真】こまつ座「母と暮せば」2021年公演の様子。 「父と暮せば」の対になる作品を残すという井上ひさしの構想を受け継ぎ、山田洋次が製作した映画「母と暮せば」は、長崎で被爆した母・伸子と亡き息子・浩二の幽霊の交流をつづった作品。それをもとにした舞台「母と暮せば」は2018年に初演され、脚本を畑澤聖悟、演出を栗山民也、伸子役を富田靖子、 浩二役を松下洸平が務めた。 2021年には同じスタッフ・キャストで再演され、今回は再々演となる。なお初演時、栗山は第26回読売演劇大賞の大賞と最優秀演出家賞、松下は第26回読売演劇大賞の優秀男優賞と杉村春子賞、平成30年度(第73回)文化庁芸術祭演劇部門の新人賞を受賞した。 再々演に際し、栗山は「靖子ちゃんと洸平に、また会える。その2人の声をまた聞くことができる。井上さんの残した数ページのメモから、畑澤聖悟さんがリレーするかのように戯曲に仕上げた作品に、また会える。2018年の初演から、もう何度目の上演になるのか、語り継ぐことの大事さをその度に深く噛み締めます」と語った。 上演時間は約1時間30分。公演は大阪・東京のほか、沖縄でも予定されている。東京公演のチケット前売りは5月18日にスタート。畑澤、栗山、富田、松下のコメント全文は以下の通り。 ■ 畑澤聖悟コメント 再演の時、この戯曲は「1人で書いたのではない」と書きました。いま改めてその通りだと実感しています。井上ひさし先生の思いがあり、山田洋次監督の思いがあり、数え切れないほど多くの人々の原爆への思いがありました。イタコがホトケオロシをするように、それを書き留めたのが私の仕事だったと思います。再々演して頂けることは大きな喜びです。とにかく一刻も早く観たい! 演出の栗山民也さん、伸子役の富田靖子さん、浩二役の松下洸平さん、スタッフの皆さんによって紡がれる命のものがたりに再会できる日がいまから楽しみでなりません。 ■ 栗山民也コメント 靖子ちゃんと洸平に、また会える。その2人の声をまた聞くことができる。井上さんの残した数ページのメモから、畑澤聖悟さんがリレーするかのように戯曲に仕上げた作品に、また会える。2018年の初演から、もう何度目の上演になるのか、語り継ぐことの大事さをその度に深く噛み締めます。 「母と暮せば」は、井上ひさしが生前、「とにかく、広島、長崎、そして沖縄を書かないうちは死ねません」と幾度となくつぶやいていた作品です。それは、長崎の母と息子の上で原爆が炸裂し、1人は生き残り、1人は1万2000度の熱で一瞬のうちに溶け、その後再会する物語です。 今の瓦礫となってしまった現実の世界をリアルタイムで捉えながら、79年前の長崎に起きた不条理でメチャクチャな記憶を、再びしっかりと見つめねばと思うのです。 ■ 富田靖子コメント 2024年夏「母と暮せば」上演 決定しました!! 本音を言うと…目茶苦茶、怖いです。 正直、震えています。 2018年初演、2021年再演 そして2024年再々演、 どんな風に進化したのか、 進化していくのか分かりませんが、 今まで通り、これまで通り ちゃぶ台の前で祈りを捧げている伸子さんを感じています。 長崎の高台のあの家のあの日の私たちに会いに来ていただけたら嬉しいです。 ■ 松下洸平コメント 僕にとって「母と暮せば」は、特別な思いのある作品です。 芝居の素晴らしさと難しさ、そして沢山の新しい景色に出会えたかけがえのない存在です。そんな作品にもう一度触れることで、何を思い、どんな新しい出会いがあるかとても楽しみです。 初めてこの作品と向き合った時と同じ気持ちで、2024年だからこその「母と暮せば」を作っていけたらと思います。 ■ 井上ひさし生誕90年第2弾 こまつ座 第150回公演「母と暮せば」 2024年7月25日(木)~2024年7月28日(日) 大阪府 SkyシアターMBS 2024年8月18日(日)~2024年8月31日(土) 東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA □ スタッフ 作:畑澤聖悟 演出:栗山民也 □ 出演 富田靖子 / 松下洸平 ※沖縄公演あり。