オレンジジュースが大ピンチ!? 輸入果汁不足 「ポンジュース」など愛媛産みかんジュースの未来は?
皆さんはこの春、愛媛が誇る果汁100%ジュース「ポンジュース」が大きく変わったことに気づきましたか。ジュースの中身が変更され、それに伴ってパッケージの「あるフレーズ」の順番も入れ替わっているんです。 同時に、商品ラインアップや値段も変わりました。その背景にあるのが、世界的なオレンジ果汁の不足と価格高騰です。影響はポンジュースを製造販売するえひめ飲料(松山市)だけでなく、他の国内飲料メーカーも一部のオレンジジュースの販売を休止する事態になっています。果たしてポンジュース、そして県産みかんジュースの未来はどうなるのでしょうか。 えひめ飲料は3月末に350ミリリットル入りのペットボトルと、200ミリリットル入りの缶の販売を終了。原因は原料の不足と価格高騰という。 農林水産省の農林水産物輸出入統計によると、2023年の輸入オレンジ果汁の価格は1リットル当たり491円で、前年の323円から1・5倍に急伸。24年になっても歯止めはかからず、1月が589円、2月が667円と上昇傾向にある。背景には、世界最大のオレンジ産地であるブラジルなどで天候不良となり、オレンジの生産量が減っていることがある。 ポンジュースは愛媛産をはじめとする国産温州ミカン果汁だけでなく、ブラジル産の輸入オレンジ果汁も使用。えひめ飲料によると、ブラジル産果汁の価格は3年前と比べて3~4倍に跳ね上がり、計画量を確保するための仕入れコストが大きく膨らんだ。今後はリスク分散などのため、ブラジル産以外の輸入果汁の活用も検討しており、スペインやギリシャ、メキシコなどを新たな調達先の候補として検討している。 また、結果的にブラジル産の供給不足対策にもなったのが、今年4月に行ったポンジュースのリニューアル。消費者の嗜好(しこう)やかんきつ農家支援を念頭に、国産とブラジル産果汁の配合量を変更して、国産を多くした。 ただ、国産果汁を取り巻く状況も厳しさを増している。えひめ飲料の2023年度の果汁向け国内産ミカンの仕入れ量は計画の6割程度。23年度産は小玉傾向で味がよく、加工用ではなく果実のまま市場へ出るケースが多かったためとみている。
愛媛新聞社