姫路城の入場料「外国人だけ大幅に値上げ」は正しいのか…?中国人母娘が現地で語った「意外な正論」
姫路市長の「ある発言」
円安が止まらない。先週はついに1ドル=160円を突破した。もう何かがトチ狂っている。 【写真】中国資本ホテルが「隣人宅に無断で侵入、ヒノキを勝手に伐採」 そんな世相を反映してか、日本初の世界文化遺産で国宝としても名高い姫路城を預かる市長が、物議を呼ぶ発言をした。 「(1000円の城の入場料を)外国人観光客は30ドルくらい、市民は5ドルくらい(にしたい)。外国人観光客に負担を求めることは海外では常識だ」 ニュースを流したテレビに向かって、思わず言い返してしまった。 「おいおい、中国では常識ではないぞ!」 '90年代半ばに北京大学に留学していた頃、隣に広がる「西太后の離宮」頤和園を憩いの場にしていた。だが当時の入場料は、中国人は2元で外国人は35元! そもそも中国で使う人民元の紙幣まで、中国人用と外国人用で違っていた。こうした「外国人差別」に留学生たちは怒り心頭で、中国はその後、悪弊を撤廃していった。
日本は「逆走」するのか
どうにも気持ちが収まらず、東京から姫路城に足を運んでみた。意外にも空いていて姫路市民の客は見当たらない。6階の天守閣まで上り詰めたら、上海人の母娘(70代と40代)しかいなかった。 彼女たちに「市長発言」を話すと、唖然とした。 「日本が中国化するんですか?途上国の中国は長年奮闘して発展し、ようやく先進国と対等になったというのに、日本はなぜ『逆走』するの?」 城の整備費が足りないなら、一律で値上げしたらよいだけのことだ。 「週刊現代」2024年7月13日号より
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