【音声データに悲痛な声】こども園で保育士への「パワハラ」訴え 12人のうち10人が退職の意向 保護者説明会で「これ以上命を預かることもできない」 法人会長が保育士を「コマ」呼ばわりか
堺市の認定こども園で、運営法人の会長のパワーハラスメントなどで保育士の大半が退職する意向を示していることがわかりました。保護者説明会の音声データには、実状を訴える職員の声が記録されていました。 【動画】実状を訴える切実な声が音声データに こども園「パワハラ」問題で保護者説明会 堺市西区の認定こども園「あいあい浜寺中央こども園」の関係者によると、運営する社会福祉法人の会長が保育士に対し「コマ」と呼ぶなどのパワハラを繰り返していたほか、複数の職員が人手不足を訴えていたにも関わらず改善しようとしなかったということです。 この園では12人の保育士が勤務していますが、そのうち10人が3月末までに退職の意向を示しています。
■「命を預かることも先生たちを守ることもできない」と訴える声が
園は13日までに保護者説明会を実施。この説明会を録音した音声データには、こども園の関係者がパワハラの内情を訴える切実な声が残されていました。 【音声データ】「我々のことをコマとおっしゃるんです。コマがないから仕方ない、我々はコマじゃありません」 保育士を「コマ」と呼んでいたという会長。職員を増やすよう求める声に対しては… 「このままでは大切な命を預かっているのに、いつ危険なことが起こるかもしれない。ずっとお願いしてきました。しかしながら『やってる』『募集をかけても、けえへんねんからしゃあないやろ』『お前は黙っとけ、ぐずぐず言うな、金を出してるのは自分や』このような発言が続いて、私は申し訳ないですけど、これ以上命を預かることもできないし、先生たちを守ることもできないなと、退職を決意して申し上げさせてもらいました」
■保護者は困惑「ここに預けてて大丈夫やったんかな」
突然、保育士の大半が退職する事態に保護者は困惑しています。 【保護者】「みんなどうしよどうしよって急すぎる」「ほんまにここに預けてて大丈夫やったんかなって思った」「転園を考えているんですけど(…)今かなり困っている状況です」 園では今後、保育士の人員確保に努めるとしていますが、運営の継続は困難だとして4月以降の新たな入園を制限することなどを検討しているということです。 堺市は「運営継続の支援を含めて、転所を希望される保護者についてもできる限りの支援はしていきたい」とコメントしています。