世界の商業用不動産が金融安定へのリスク、英中銀が指摘
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は、世界の不動産セクターのリスクが金融安定を脅かすと警告した。
中銀の金融行政委員会(FPC)は27日、商業用不動産価格がさらに下落し、金融機関が損失を被る可能性があると指摘した。中国の不動産には依然として大きな下落リスクがあり、不動産開発業者への貸し手を通じて世界の金融市場に伝染リスクをもたらしている。
特に懸念されるのは、商業用不動産債務が銀行セクターの外でどれだけ保有されているかだ。中銀はまた、プライベートエクイティーのリスクにも焦点を当て、このセクターの複雑さと相互関連性が金融安定へのリスクの評価を難しくしていると指摘した。
「世界的なリスクは増加し続けており、依然として重大だ」と、FPCは13日の会合に基づく議事要旨で説明した。資産評価額が世界的に上昇を続けてきたが、「広範な資産価格が急激に調整されるリスク」が高まっているという。
発表によると、中銀は銀行に対するカウンターシクリカル資本バッファーを2%に維持する。
プライベートエクイティーについては、英国の実体経済への金融に重要だとしつつ、いまや金利上昇が問題になりつつあり、レバレッジドローンのデフォルト率が上昇していると指摘。
プライベートエクイティーの一部スポンサー企業はリスクの明確化を遅らせる借り換え策に目を向けているとし、こうした取引は「将来に予想以上の信用損失が発生する」リスクを高める可能性があると警鐘を鳴らした。
原題:BOE Says Commercial Real Estate Poses Risk to Stability(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Greg Ritchie, William Shaw