<解説>破天荒教師から、優柔不断な男、悪役まで 反町隆史、50歳の原点回帰と円熟味
同年7月期には「オールドルーキー」で日曜劇場(TBS)に初出演。サッカー選手だった主人公(綾野剛さん)のセカンドキャリアを後押しする会社社長を演じた。人気アナウンサーだった主人公の妻(榮倉奈々さん)のファンを公言し、その本を読んでデレデレになる姿は「社長可愛い」「おもろい」とも話題になった。
主人公を見守るポジションで支持を集めた反町さんだったが、翌2023年に出演した「スタンドUPスタート」(フジテレビ)では一転、竜星涼さん演じる主人公に立ちはだかる、ラスボス的なキャラクターを演じた。視聴者からは、反町さんの演技が「怖すぎる」「黒反町」と話題となり、「悪役の反町さん新鮮! こんな演技もできるのね」「今までに見たことがない反町隆史」といった声もあった。
「相棒」卒業後も、コンスタントに連ドラに出演し、存在感を発揮していた反町さん。そして、今年1月期の主演ドラマ「グレイトギフト」では、これまでの反町さんのイメージを覆すような“うだつが上がらない病理医”役を演じ、視聴者を驚かせた。
同作のインタビュー時には、反町さん自身も、等身大の自分とはまったく違う人物だといい「とにかく表現するのが難しい役、役者としてはすごくハードルが高いです」と語っていた。だがふたを開けてみれば、殺人球菌を巡る院内の権力闘争に巻き込まれ、どんどん頼もしくなっていく主人公を好演した。
「グレイトギフト」で役者として新境地を開拓した反町さん。そして今回の「GTOリバイバル」では、再び鬼塚としてカムバックし、26年たっても変わらない“カッコ良さ”を見せつつ、26年前にはなかったさすがの“円熟味と振り幅”を感じさせた。
「GTOリバイバル」の2日後に行われた会見では、続編の可能性に「もし、機会をいただけるのであれば、(今作の少しライトだった鬼塚ではなく)昔の根っこの元暴走族上がりの鬼塚を演じたいなと思いますね」と意欲を見せていたが、また鬼塚を演じてくれるなら大歓迎。もっともっと暴れて、こんな世の中に風穴を開けてほしい。