幽玄の世界堪能 富山・高岡薪能
第40回高岡薪能(たきぎのう)は25日、富山県高岡文化ホールで開かれた。国内を代表する能楽師らが幽玄の舞台を繰り広げ、観客約800人が日本の伝統芸能を堪能した。 天候不良が懸念されたため、会場は高岡市の国宝瑞龍寺から同ホールに変更した。第1部は高岡能楽会員が素謡や仕舞、舞囃子(ばやし)を披露。第2部の薪能で同会の上田博理事長が開会宣言し、同会長の角田悠紀高岡市長があいさつした。舞囃子「海人」、狂言「萩大名」、仕舞「玉ノ段」「大江山」が披露された。 引き続き火入れの儀があり、かがり火に代わって揺らめく明かりがともされた。瑞龍寺の四津谷道宏住職が読経した。 火入れの後、能「小鍛冶(こかじ)」が上演され、国重要無形文化財保持者(人間国宝)の大坪喜美雄師(神奈川)がシテを務めた。剣を作るよう勅命を受けた宗近が、相槌(あいづち)を務める狐(きつね)とともに名剣を仕上げる物語に観客が見入った。
高岡能楽会主催、高岡市、同市教委、北日本新聞社、富山テレビ放送共催。