あの特異キャラのルーツが明らかに!トランプが封印を画策した映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』
いよいよ大統領再就任の日を目前に控えたドナルド・トランプ。大統領経験者の返り咲きは132年ぶり。驚異の人気を誇るが、不都合な報道を「フェイクニュース」と呼び、決して間違いを認めず、謝らず、それどころかメディアやジャーナリスト相手に度々、訴訟を起こしてきた横暴もよく知られている。そんな怪物のようなトランプが全米公開を阻止しようとするほど、封印したかった映画がいよいよ公開される。 【写真9点】見れば見るほど本物そっくり、”青年トランプ”を演じた俳優セバスチャン・スタン ■ いかにして「モンスター」に変貌したか 映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は20代だった青年実業家のドナルド・トランプが赤狩りの急先鋒に立った反共産主義者として悪名高い弁護士ロイ・コーンと出会い、とんでもないモンスターに変貌していく様子が描かれる。いわば、トランプ伝説の始まり。 脚本はニューヨーク・オブザーバー紙不動産担当の駆け出し記者だった頃から、トランプに何度もインタビューしてきた、ベテラン政治ジャーナリストのガブリエル・シャーマンが担当。 監督はトランプパワーには決して屈しない、イラン系デンマーク人でカンヌ国際映画祭常連のアリ・アッバシが務めている。ちなみに原題「The Apprentice」とは「見習い」の意で、トランプがホストを務めていたリアリティ番組のタイトルでもある。
■ 叩きこまれた「勝利への3つのルール」 80年代、ニューヨーク。ドナルド・トランプは政財界の実力者が集まる高級クラブの最年少会員になる。クラブで食事をしていた彼はニクソン大統領をはじめとする大物顧客を抱え、数々の訴訟で無敗を誇る、悪名高き辣腕弁護士ロイ・コーンから声をかけられる。 その頃、不動産会社トランプ・オーガニゼーションの社長であるドナルドの父親は「黒人の入居を拒んだ」と政府と全米黒人教会から訴えられていた。 「誰に部屋を貸そうと自由だ。反訴しろ」というロイにドナルドは弁護を頼もうとするが、父親からはけんもほろろに断られる。独裁者のような父は治安の悪いニューヨーク42丁目に高級ホテルを作るというドナルド肝いりの事業計画にも耳を貸そうとはしなかった。 今となっては考えられないが、初々しい20代のトランプは人の話を一生懸命、聞く若者であったようだ。逆にまだ何者でもない彼の相談に乗る者は少なく、自分を認めてくれるロイ・コーンを全面的に頼るようになる。信奉者のような無垢な青年に惚れ込み、ロイは自分の手の内を明かす。 教え込まれたのは「ロイ・コーンの勝利への3つのルール」。 ルール1 とにかく攻撃しろ ルール2 非を認めるな、全否定しろ ルール3 どれだけ劣勢に立たされても勝利を主張しろ、決して負けを認めるな