上皇さま91歳に 体調に大きな変化なく 戦争の記憶を留め災害の被災地を案じながら規則正しく穏やかに生活
上皇さまはきょう、91歳の誕生日を迎えられました。 上皇さまはお住まいの仙洞御所で、リハビリに取り組む上皇后さまを気遣いながら、静かで穏やかな日々を規則正しく過ごされています。 【上皇后さまへの気遣い】 10月に上皇后さまが右大腿骨上部の骨折で入院した際、上皇さまは東大病院へ足を運び、上皇后さまを見舞われました。また、退院の際には上皇后さまを仙洞御所の車寄せで出迎え、その後のリハビリの様子を見守るなど、気遣われているといいます。 上皇さまは毎日、朝夕に運動のため、御所内や御用地内を散策していますが、上皇后さまも今月に入り、杖なしで一緒に歩けるようになり、喜ばれているということです。 【日常生活】 高齢のご夫妻は、誤嚥を防ぐために食事中の会話は控え、テレビのニュースに目を向けて国内外の動向に関心を寄せられているといいます。特に、今年、震災や豪雨の被害が大きかった能登の被災者を案じられているということです。 朝食後の日課となっている本の音読では、池宮城秀意さんの「戦争と沖縄」を読み、戦争の記憶を留めつつ、沖縄県慰霊の日、広島・長崎原爆の日、終戦記念日には、式典の進行に合わせて上皇后さまと御所で黙祷されています。 【思い出の地を訪問】 5月には上皇さまが戦時中に疎開されていた栃木県にある旧日光田母沢御用邸をご夫妻で訪問されました。 上皇后さま 「ナスヒオウギアヤメが綺麗ね」 上皇さま 「綺麗ね。とてもね」 上皇さまは懐かしそうに庭園を散策されていました。 8月には恒例となっている長野県軽井沢町の静養で戦後、旧満州から引き揚げてきた人々が入植した大日向開拓地のキャベツ畑へ。 上皇さま 「なかなか広いキャベツ畑ね」 上皇后さま 「まだ(キャベツが)巻きはじめね」 上皇さま 「巻かないのもあるみたいだから」 真っ青な空の下、ご夫妻はキャベツ畑の散策を楽しまれました。 また、1957年に上皇后さまと出会った「軽井沢会テニスコート」を訪問し、なじみの人たちと懇談されました。 【健康面】 上皇さまは2022年7月に心臓の三尖弁閉鎖不全による右心不全と診断を受けられました。現在も、心不全の診断指標となるBNP値がやや高く、少量ながら胸水貯留もありますが、その後は薬の服用や水分の摂取制限といった内科的治療で、比較的安定した状態が続いているということです。 【三笠宮邸に弔問】 11月、三笠宮妃百合子さまが逝去し、上皇ご夫妻は深い悲しみを示されたといいます。慣例上、葬儀には参列しないものの、上皇ご夫妻は行事の折に、あわせて4回、弔問のため三笠宮邸を訪問し、101歳の皇室最高齢で逝去した百合子さまを偲ばれました。 【ハゼの研究】 ハゼの研究については、毎週月曜日と金曜日は皇居の生物学研究所で、水曜日には仙洞御所で続けられています。これまでに上皇さまが発表したハゼに関する論文などを基にして、新たな分類や生態の再検証に取り組まれているということです。 上皇さまは誕生日のきょう、仙洞御所で祝賀行事に臨まれます。天皇皇后両陛下や皇族方を始め、三権の長や職員代表らから祝賀を受けられる予定です。
TBSテレビ