日本の初代サンタは「かつらをつけた殿様風」 クリスマスの歴史をたどる
日本初のサンタは和風テイスト?
では、日本にクリスマスが伝わったのはいつなのでしょうか。 1549年にカトリックの伝道師であるフランシスコ・ザビエルが当時の薩摩、今の鹿児島県に上陸し、1551年まで滞在しました。この間、12月25日は2回あったので、ザビエルがクリスマスを祝ったのではないかという見方もありますが、記録は残っておらず定かではありません。 関西学院大学神学部助教で関西学院宗教センター宗教主事の井上智さん(44)によると、1874年に東京第一長老教会という教会でクリスマスを祝ったという記録が残されているそうです。その記録には、サンタクロースも登場しますが、裃(かみしも。江戸時代の礼服)をつけ、大小の刀を差し、かつらをつけた殿様風のふん装だったそうです。日本における初期のサンタクロースは、和風テイストでした。
スリムだった時期も
海外でも今のようなサンタ像が定着したのは20世紀に入ってからです。 真っ赤な服のサンタクロースが登場したのは、1931年の米国だという説があります。コカ・コーラが冬の販売促進のため、雑誌広告に真っ赤な衣装をつけたふくよかなサンタクロースを登場させました。それまで、サンタクロースの衣装といえば青や緑、白で、体型もスリムだったそうです。 井上さんは、「プレゼントをもらう日というだけではなく、クリスマスの由来や歴史に思いをはせて、大切な人に何ができるかを考えるきっかけの日にもしてほしいですね」と話しています。 (取材・文:具志堅浩二)