オリックス・田嶋大樹が意地と気合で2勝目!2軍降格危機も乗り越えてチームも初貯金
(パ・リーグ、オリックス2―1西武、4回戦、2勝2敗、23日、京セラD)冷静沈着な男から鬼気迫るオーラが漂っていた。2軍降格の危機も、無死満塁のピンチも乗り越え、「ふぅー」と大きく息を吐く。オリックス・田嶋大樹投手(27)が意地と気合で白星をつかみ取った。 「気持ちで思い切りいこうと思っていました」 2点リードの四回に山場を迎えた。中村剛に許した二塁打と連続四球で無死満塁とされ、味方の適時失策で1点を失ったが、気持ちはブレなかった。「最低でもチームが勝てるような投球がしたいなと思っていた」。若林、外崎を連続三振に斬ると、最後は長谷川を直球で中飛に仕留めて安堵(あんど)した。 5回3安打1失点(自責点0)で2勝目。崖っぷちの状況から自力ではい上がった。 前回登板の16日の楽天戦(楽天モバイルパーク)は3回しかもたず5失点(自責4)でKO。試合後に中嶋監督が「今のままだったら(次の)チャンスがあるのかなっていう気もする」と2軍降格を示唆していたが、もう一度機会を与えられ、腹をくくった。この日の試合前練習中、二塁ベース付近にいた指揮官に歩み寄り、話しかけた。「世間話です」と詳細は語らなかったが、どちらかといえば物静かでクールな田嶋が異例の行動。将も「まさか話しかけてくると思わなかったので、びっくりした」と振り返りつつ「ピンチだったけど、よく投げた」と粘りの投球をたたえた。 連勝のチームは今季初めて貯金1ができた。田嶋は「チームに貢献できるように、ゲームを作りたいと思っていたので、よかった」とうなずいた。踏ん張り続けてもぎ取った1勝を力に変え、白星を積み上げていく。(織原祥平) ◆今季初めて勝率5割を超えたオリックス・中嶋監督 「(貯金は)本当に一気に増えるわけでないので、一個ずつ増やしていきたい」