札幌市民に愛され続けて35年以上「市民ロビーコンサート」
【北海道・札幌】札幌市役所(札幌市中央区)の1階ロビーで26日、第433回目となる市民ロビーコンサートが開催されました。
これまでに430回以上のコンサート
このコンサートは、札幌市と市民ロビーコンサート運営委員会が中心となって運営していて、基本的に毎月第4金曜日の昼休み(午後0時25分~45分の20分間)に開かれています。スタートしたのが1980(昭和55)年の8月ですから、すでに35年以上も続いているコンサートです。これまでに433回を重ね、延べ人数950人近い音楽家がステージに立ちました。 もともと、札幌市役所では「市役所を音楽文化振興の舞台に」と考え、市民が気軽に音楽・音楽家と触れ合う機会として市民ロビーコンサートがスタートしました。今では毎回400人近いお客さんが訪れています。
出演者は、主に札幌市にゆかりのある中堅音楽家で、クラシック・和楽・ギターの演奏家が出演しています。毎年2月は札幌市芸術祭新人音楽大賞受賞者が、7月は札幌を拠点に世界の若手音楽家を育成する国際教育音楽祭「PMF」(クラシック音楽の祭典で正式名称はパシフィック・ミュージック・フェスティヴァル)の講師陣が演奏することになっています。 今回は2月ということで、札幌市芸術祭新人音楽大賞受賞者である石原優香さん(ピアノ)、山本恵さん(ヴァイオリン)、五十嵐麻実さん(ソプラノ)が出演し全5曲を披露しました。このように3種類の音色が披露される会は非常に珍しいとのこと。曲が終わるたびにロビーには大きな拍手が響き渡り、いつもは静かな市役所が、この時ばかりはコンサートホールのようなにぎわいを見せていました。
札幌市観光文化局文化部市民文化課によると、「35年にも渡ってコンサートを継続できたことは、多くのお客さんに支えられてきたからこそと思っています。毎月楽しみにされている方も多いので、今後も続けていきたいです」とのこと。 ちなみに、市民ロビーコンサートで使用されているグランドピアノは第1回から変わっていません。札幌市役所を訪れたことがある人の中には、ロビーの左端に置いてあるピアノが気になっていた人もいると思いますが、実は35年にも渡って札幌市民とともに歩み続けている楽器でもあるのです。 次回の市民ロビーコンサートは3月25日(金)を予定しています。 (ライター・橋場了吾)