伝統稚児舞華やかに 富山・婦中の熊野神社、児童4人が7種類の舞
富山市婦中町中名(なかのみょう)の熊野神社に伝わる国指定重要無形民俗文化財の稚児舞が25日、同神社で奉納された。地元の同市宮野小学校の児童4人が、境内に設けられた舞台で優美な舞を披露した。 稚児舞は1704(宝永元)年に疫病が流行した際、神社の守護奉仕役を務めていた若林源左衛門が神のお告げを受けて奉納したのが始まりとされ、熊野神社の秋季例大祭で奉納している。 小稚児を長原穂貴(ほだか)さんと老月勝人(まさと)さん(富山市宮野小2年)、大稚児を吉田新汰(あらた)さんと横山大翔(ひろと)さん(同3年)が務めた。 稚児は祭りが終わるまで土を踏んではならないとされており、4人は中名公民館から大人の肩に担がれて移動。華やかな衣装を身に着け、2人舞の「鉾(ほこ)の舞」「賀古(かご)の舞」や4人舞の「林歌(りんが)」など七つの舞を披露した。中名青年会や速星獅子舞保存会などによる勇壮な獅子舞も奉納された。
同神社の稚児舞は、下村加茂神社(射水市)、法福寺(黒部市)とともに、「越中の稚児舞」として1982年に国の重要無形民俗文化財に指定された。