デンマークのクリスチャン皇太子、初めて国王代理の任務に 父フレデリック国王は外国訪問へ
先月デンマークの新たな君主となったフレデリック国王。君主になって初めての外遊として、現在ポーランドを訪問している。それに伴い、息子のクリスチャン皇太子が君主の代理である摂政の任務についている。クリスチャン皇太子が摂政を務めるのはもちろんこれが初。 【写真】次世代を担うイケメンプリンス、デンマーク王室・クリスチャン王子の成長アルバム
新聞「デイリーメール」によると現在摂政の役目につけるのはクリスチャン皇太子と、先月まで君主だったマルグレーテ2世元女王だけ。メアリー王妃や国王の弟のヨアキム王子は摂政にはなれない。イギリスでカミラ王妃やアン王女が国王の代理として憲法上の義務を果たせる国務参事官に任命されているのとは大きく異なる。その理由についてデンマークの歴史家、セバスチャン・オールデン・ヨルゲンセンが新聞「BT」に解説している。
「デンマークに摂政が必要なのは憲法で立憲君主制と定められているから。つまり国王が法律に署名しなければその法律は無効になってしまう。だからイギリスとは異なり、君主が国外に出るときには摂政をおかなくてはならない」と説明。「国王は国家機構の1部。だからその存在が常に必要だ」。ちなみにメアリー王妃とヨアキム王子、マルグレーテ女王の妹ベネディクテ王女は摂政代理になることができるという。
国王が帰国するのは現地時間2月2日(金)。皇太子が摂政の役目を果たすのは3日間のみだが、その間に法律が生まれればサインすることに。ヨルゲンセンは「原則上、また書類上では皇太子が法律への署名を拒否することは可能。でも100年以上、そのような選択肢はまったくなかった」と話している。摂政は議会が可決したものにサインをするのが「政治的な文化」と話している。
ちなみに皇太子は昨年10月に18歳になった。成人を迎えるとロイヤルに与えられる手当が受け取れるが、皇太子はまだギムナジウムの学生であることから21歳になるまで手当は受け取らないと発表していた。しかし当時の立場は王子。皇太子になった今、これも変わるだろうとヨルゲンセンは語っている。「摂政の役目を果たすことになれば手当が生じるだろう。仕事や職務には報酬も伴うからだ。問題はそれがどれほどの額になるかだ」。君主の交代に伴い、クリスチャン皇太子の生活も大きく変わりそう。