センバツ高校野球 東海大相模、令和初V 万雷の拍手、降り注ぐ(その2止) /神奈川
◇快晴、劇的 2時間9分 突き抜けるような快晴の下、アルプス席には黄色いポンポンを手にしたチアガールや青いメガホンを持った野球部員や保護者ら約400人が集結した。劇的なサヨナラ打までの2時間9分、グラウンドの選手たちにエールを送り続けた。 五回裏に求航太郎の適時二塁打で同点に追いつくと、父の建臣さん(53)は「緊張でプレーを見られなかったが、よくやってくれた」と満面の笑みを見せた。グラウンドには録音されたブラスバンド部の「サンバと喜びの歌」が流れた。 同点のまま九回に突入し、さらにボルテージが上がった。応援委員会のチアとして参加した棚橋ゆいさん(3年)は「みんなで日本一を取ってほしい」と目を潤ませていた。 小島大河(同)のサヨナラ打に、アルプス席は歓喜の声と涙で包まれた。父の真路(まさみち)さん(50)は「みんながつないでくれたチャンスを生かしてくれた」と目を赤くした。 試合後、アルプス席に一礼する選手たちに惜しみない拍手が送られた。 ◇すし店主も祝福 ○…東海大相模野球部員がよく訪れる相模原市南区のすし屋「六ちゃん」の店主、紅林(くればやし)秋男さん(77)=写真=は、優勝に「ただただうれしい。よく頑張った」と喜んだ。いつもは甲子園に応援に行くが、新型コロナウイルスの影響で今回は断念。店のテレビで劇的なサヨナラ勝ちを見届けた。店の窓に貼られた「甲子園出場おめでとう」の文字を「甲子園優勝おめでとう」に入れ替えた。普段から部員には3倍の量の酢飯を使った「おまかせ丼」を出しているが、「活躍した連中には今度サービスしないとな」と顔をほころばせた。 ◇監督の家族が応援 〇…東海大相模のアルプス席では、門馬敬治監督の妻七美枝さん(52)と元野球部マネジャーで長女の花さん(19)が選手たちの活躍を見守った=写真。野球部の寮で生活する一家は、選手たちと寝食を共にしているため距離も近い。花さんが決勝前に無料通信アプリ「LINE(ライン)」で監督に「楽しんで頑張ってください」とメッセージを送ると「ありがとう頑張ってくるよ」と返信があったという。優勝が決まり、電光掲示板に映された校歌を見つめながら花さんは「優勝の場に立たせてもらって感謝しかない。夏の甲子園にもぜひ連れてきてほしい」と涙を浮かべながら話し、七美枝さんは「2日に寮で選手たちを出迎えるのが楽しみ」と声を弾ませた。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇昨秋以降の公式戦成績 <県大会> 2回戦 ○ 10―2 座間 3回戦 ○ 13―4 立花学園 準々決勝 ○ 6―0 横浜商 準決勝 ○ 9―1 横浜 決勝 ○ 8―2 鎌倉学園 <関東地区大会> 1回戦 ○ 7―0 石橋 2回戦 ● 1―2 東海大甲府 <センバツ> 1回戦 ○ 3―1 東海大甲府 2回戦 ○ 1―0 鳥取城北 準々決勝 ○ 8―0 福岡大大濠 準決勝 ○ 2―0 天理 決勝 ○ 3―2 明豊