久保建英がソシエダで見据える来シーズン「もっと求めていけたら」 来日ツアーから紐解く“去就の現在地”【コラム】
自然と口にした「僕たちが来季躍進するため」
また、久保においても同様、今夏はソシエダに留まって戦っていく姿勢が見受けられた。試合後の囲み取材では「ウルコ(・ゴンサレス・デ・サラテ)であれ、(ベニャ・)トゥリエンテスであれ、(マルティン・)スビメンディであれ、ボランチの底の選手が、たぶんこのチームで一番上手いと思う」と、現チームの特長を分析したうえで「僕たちが来季躍進するための鍵になってくる。彼らに感謝しつつ、もっと求めていけたらと思います」と発言している。 自然と「僕たちが来季躍進するため」といった言葉を口にする姿を見ても、現時点で久保が退団を見据えているようには映らなかった。試合後、クラブが来季の新ユニフォームを発表したなか、お披露目の映像に久保の姿がなかったことから移籍の噂が再燃している状況にあるものの、MFマルティン・スビメンディ、DFロビン・ル・ノルマン、MFミケル・メリーノといった主力勢も久保と同じく登場していない。 このことから、「移籍の可能性が高いから映像に出ていない」のではなく「残留が確定的となっている選手を映像に出した」と考えるのが妥当で、移籍の可能性がゼロというわけではないが、決して高いと言えるわけでもない、といった現在地なのではないだろうか。当然、ビッグクラブから巨額のオファーが届き電撃移籍といった展開が待ち受けている可能性も十分にあるため、状況が二転三転することも予想されるが、少なくとも現時点では久保、そしてチームは、残留を想定して来季を見据えている様相だった。
城福達也 / Tatsuya Jofuku