ドジャース戦を観戦したスポーツ報知評論家の高橋氏

◆米大リーグ　ドジャース６―４ロッキーズ（２０日、米カリフォルニア州ロサンゼルス＝ドジャースタジアム） 【動画】大谷翔平、バックスクリーン左へ５２号！ 　ドジャースタジアムに着くと、すでにお祭りムードだった。「５０―５０」を達成した大谷を祝福しようと、ファンはスマホを手に出番を待つ。打席に入る大谷に、全員が立ち上がって拍手を送った。試合前の異様な盛り上がり。日本では見られない光景だ。球場全体が偉大な記録に対して敬意を表し、相手チームも静かに見守る。私は１日遅れの現地入りのため、達成の瞬間こそ見られなかったが、感動は十分に伝わってきた。 　今回は日テレ「Ｇｏｉｎｇ！　Ｓｐｏｒｔｓ＆Ｎｅｗｓ」の取材で渡米。バックネット裏の一塁寄りに座り、三塁ベンチの大谷に注目した。ふと球場を見渡すと開放感があって楽しい気持ちになる。選手との距離も近い。大谷のスイング音がここまで聞こえてきそうで、いるだけで興奮した。 　１打席目は空振り三振。誰もがホームランを期待しているから、ファンのため息が深かった。続く中前安打は打球音が激しく響いた。インパクトの強さは尋常じゃない。そして５回の逆転２ラン。ボールであろう高め直球を強引にコンタクトする。差し込まれそうなところ、上体を引いて距離を取り、センターへ大きな弧を描いた。この高等技術はそう簡単にまねできるものではない。 　気候は日本より涼しかった。打席に立つたびに起こるＭＶＰコールには熱くなった。応じるように「５２―５２」でお返しした。「世界の大谷」をさっそく実感できた。（スポーツ報知評論家・高橋　由伸）