「誰もランナーを進められなかった」天王山の巨人戦で痛恨黒星の阪神 球団OBは"意識"の重要性を強調「どう感じて打席に立つのか」
9月23日、セ・リーグの首位を争う巨人と阪神による、今季カード最終戦が甲子園球場で行われた。前日は阪神が巨人を下し1ゲーム差で迎えたこの日の一戦はまさに両チームにとって負けられない大一番となった。試合は0-0のまま進み、7回に巨人が代打・坂本勇人のタイムリーで先制、これが決勝点となり1-0で巨人が制している。 【動画】これぞ、ベテランの意地!7回に代打で登場した坂本が適時打を放ったシーン 2連戦で行われた天王山、結果は1勝1敗と星を分け合ったものの、逆転優勝を狙う2位の阪神は連勝が必須だったこともあり、痛恨の黒星となった。阪神先発の髙橋遥人は6回0/3を投げ1失点と好投したものの、阪神打線がランナーを出しながら返すことができず、最後まで無得点のまま敗れている。 前日に続き、接戦となったゲームだったが、追いかける阪神にとっては口惜しさが残る結果に。その中で、今回の敗戦について球団OBによる、得点機を広げることができなかった阪神打線へのコメントが伝えられている。 現役時、阪急やオリックスで通算165勝を記録し、引退後は阪神の投手コーチも務めた佐藤義則氏が、自身のYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を9月24日に更新。「勝ちへの執念」と銘打った動画において、試合のポイントなどを語った。 佐藤氏は6回裏阪神の攻撃で、無死ランナー2塁の場面について、「佐藤(輝明)が大事な場面でフライアウト」「誰もランナーを進められなかった」と苦言を並べた。 一方で、巨人打線に対しては、4回表に3番・吉川尚輝が送りバントを試みるもスリーバント失敗に倒れたシチュエーションを振り返り、「送れなかったけど、阿部(慎之助)監督の執念が感じられた」と評価。さらに、「(バントを)やってダメだったとしても、選手の中に意識が広がっていく」とも述べ、チーム全体におけるランナーを送る姿勢の重要性を説いている。 佐藤氏は、阪神の拙攻が目立ったと指摘しながら、「今日のような1点勝負のゲームでは右打ちやバントが重要になる」と強調。加えて、ここからのゲームを見据え、「岡田彰布監督は3、4番にはバントのサインを送らないだろうけど」と前置きしながら、「選手自身がどう感じて打席に立つのか。例えば監督だけではなく、コーチ陣からの意識付けも必要では」と話している。 重要な局面で、打線が繋がらず勝ち星を逃すこととなった阪神。この日の結果で巨人の優勝マジックが「4」となり、昨季王者の連覇はさらに難しい状況となってしまった。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]