特色入学者選抜 25年度導入の愛媛県立高校入試 松山東では集団討論も 寺小屋はどう見る?
2025年度の愛媛県立高校入試から、推薦入学者選抜に替わって導入される「特色入学者選抜(特色選抜)」。従来と比べ募集人員枠が拡大しますが、新しい選抜方法に戸惑う受験生や保護者も多いのではないでしょうか。そこで高校受験に詳しい総合学習塾「寺小屋グループ」第1管理部部長の平尾大二郎さん(47)に、特色選抜の特徴などを聞きました。(原田茜) ◆ 高い学力求める学校も ーー特色選抜をどう見ていますか。 県教育委員会が5月に公表した各校の出願資格・検査項目の概要を確認したところ、出願資格に5教科または9教科の評定平均を掲げるなど、学力を問う学校が少なくない印象を受けました。また進学校を中心に、実用英語技能検定(英検)や日本漢字能力検定(漢検)などの取得を条件としているところも目立ちます。 例えば今治西高は「英検、漢検のいずれかで2級以上または、それと同等の資格取得者」「5教科の評定平均が4.5以上」といった条件のいずれかに該当することを出願資格としています。英検2級は高校卒業程度の英語力が必要ですし、学校の成績もかなり高いレベルが求められます。少子化を背景に志願倍率が1倍を割る学校も多い中、高校にとっては、より優秀な生徒を早い段階で獲得できる利点があるのではないでしょうか。 ◆ 松山東は集団討論も 多様化する検査項目 ーー検査項目も学校によって異なりますね。 2024年度の推薦入試は、作文もしくは小論文と面接が実施されました。一方、特色選抜では検査項目に新たにプレゼンテーションが加わり、新居浜東高や小松高などが導入。松山東高では小論文と生徒5、6人の班による集団討論・集団面接が行われます。調査書を含め検査項目の評価比率は学校でそれぞれ異なっており、まさに多様化しています。 大学受験も近年大きく変わっています。国公立、私立ともに総合型選抜・学校推薦型選抜の割合が増え、各大学による評価・選考方法(小論文、プレゼンなど)もさまざま。特色選抜の導入は、高校受験の先を見据えた入試改革ともいえそうです。
愛媛新聞社