佐賀市諸富町で昨年12月、介護施設の送迎車が対向車に衝突して利用者2人が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反（過失致死）の罪に問われた契約社員の女性被告（42）=佐賀市=は25日、佐賀地裁（松村一成裁判官）の初公判で起訴内容を認めた。検察側が禁錮4年6月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審した。判決は10月16日。 　検察側は冒頭陳述や論告で、被告が運転中に眠気を催したことを挙げて「いったん車を止めて休憩するなど解消する措置を講じることなく運転を継続した。過失は重大」と指摘した。 　被告人質問で被告は「（休憩する）思いには至らなかった。（施設の車を）どこかに止めると苦情が入ると思った」と答えた。弁護側は、被告が夫の単身赴任のため1人で家事や育児をしていて「疲労の蓄積や不規則な睡眠があった」と強調した。 　亡くなった90代女性の遺族の娘が意見陳述した。事故原因が居眠りだったことなどを示し、「どこに怒りをぶつけていいか分からない」と述べ、厳重な処罰を求めた。 　起訴状などによると、被告は昨年12月7日午後4時半ごろ、諸富町の国道で送迎車を運転中に対向車線に入ってトラックと衝突させ、送迎していた80代女性と90代女性を死亡させたとしている。佐賀地検は8月に被告を在宅起訴した。