2年目で覚醒の兆しを見せる村松開人(中日)!派手さはなくても、「順応力」は学生時代からずば抜けていた!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.19』】
神宮大会決勝戦では優勝を決めるファインプレー
大事な場面では打撃だけではなく、守備でも見せられる選手でした。22年秋の明治神宮大会は國學院大との決勝戦。1対0で迎えた9回表、二死。打球は一、二塁間へ抜けそうな打球をセカンドの村松選手が懸命にグラブを伸ばして、打球を処理しました。体を踏ん張ってスナップスローを行い、アウトにしました 優勝が決まった瞬間、いつも冷静な村松選手は喜びを爆発させて、マウンドへ駆け寄りました。非常に高度なプレーで、一瞬でも持ち替えのミスがあれば、内野安打になっていたかもしれません。試合後の取材ではあのプレーについてこう語っていました。 「あの打球がさばけるようにいつも練習でやってきました。練習の成果が出ました」 その言葉を聞いて、22年1月の守備練習を思い出しました。普段の練習の積み重ねを誰よりも大事にしてきたんだなと実感しました。 2位指名で中日に入団。プロ1年目は98試合出場で、6月14日のヤクルト戦で中日のルーキーとしては史上初となるプロ初本塁打が満塁本塁打。1年目の打率は.205でしたが、2年目は打率.330。ここまでその高い評価に応えているでしょう。村松選手は大学時代、生き残るのは確実性しかないと答えていました。村松選手はダイナミックな守備をみせるわけではなく、本塁打を量産するわけでもありません。プロの世界では、個人成績が勝負で、一瞬の大活躍だけではなく、少しでも爪跡を残し、それを積み重ねることが非常に重要です。 今の村松選手は大学時代と比べるとかなり力強いプレーを見せています。確実性が武器といってもプロの投手に対応できるパワーを身につけるために相当なトレーニングを積んできたのが伺えます。 5月に入って、33打数17安打、打率.515とこの調子を継続していけば、月間MVPも狙える成績です。 この「順応力」をこれからも継続し、最終的に一流選手と呼ばれる成績を残してほしいと思います。 *『主筆・河嶋宗一コラム グラカン!』は毎週日曜配信します。