30年周期ではなく、60年周期の地震が2つ?8月の日向灘地震は「1961年地震の再来の可能性が高い」専門家が新たな見解示す
8月8日、宮崎県沖、日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生した。南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたことで覚えている方も多いのではないか。この地震について研究者は、1961年に起きた日向灘地震が63年ぶりに再来した可能性が高いとの新たな見解を示している。 【画像】「日向灘南部では約60年周期でマグニチュード7クラスの地震が発生する震源域が2つある」と新たな見解を示した。
日本地震学会で発表された
これは、京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教などが10月の日本地震学会で発表したもの。日向灘の南部では、1931年、1961年、1996年の10月と12月に大きな地震が発生していて、約30年周期でマグニチュード7クラスのプレート境界地震が起こると考えられていた。 山下裕亮助教は、観測地震学が専門で日向灘の地震などを研究している。 しかし山下助教によると、2024年8月8日に発生した地震は、約30年前の1996年の地震と比べ震源域がずれていたほか、前震活動にも違いがあったということだ。 また今回、日南市油津や日向市細島などで観測された津波の波形が、1961年の地震とよく似ていたことが分かった。 京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教: 1961年の津波と2024年の津波が似ていたということは、同じ場所の断層がずれたと考えられる。今回の地震は、実は1961年の地震の再来だった。63年ぶり。 こうしたことから、山下助教などは「日向灘南部では約60年周期でマグニチュード7クラスの地震が発生する震源域が2つある」と新たな見解を示した。
今後の地震活動は?
その上で、今後の日向灘での地震活動について、山下裕亮助教に聞いてみると。 京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教: 今回地震が起こったからしばらく大丈夫ということはない。60年で地震を繰り返すものが2つあるというのは、宮崎市の沖合に限定した話。全体で見れば数十年に1回、M7級の地震が起こっている領域で、日向灘では常にこういった地震が起こると、改めて認識をもっていただくきっかけになればと思う。 (テレビ宮崎)
テレビ宮崎