【袴田事件】衣類に付着した血痕のDNA鑑定…弁護側「ねつ造裏付けている」 検察は反論「信用性乏しい」
テレビ静岡
死刑判決が確定した袴田巖さん(88)のやり直しの裁判は17日に13回目の公判となり、弁護側は「衣類の血痕が袴田さんのものとは一致しないとするDNA鑑定は信用性が高く、衣類のねつ造を裏付けている」と主張しました。 13回目を迎えた17日の公判では、袴田さんが犯行当時着ていたとされる衣類に付着した血痕のDNA鑑定について審理されました。 2014年、静岡地裁は「血痕のDNAが袴田さんのものとも被害者のものとも一致しない」とする弁護側の鑑定結果を認め、再審開始を決めました。 しかし、2018年の東京高裁、2020年の最高裁はともに「検査の手法に疑問が残る」などとして弁護側の鑑定の信用性を否定しています。 17日の公判で弁護側は「鑑定は高い信頼性を有し、鑑定結果は袴田さんの無罪を証明し衣類のねつ造を裏付けている」と主張しました。 一方、検察側は「弁護側の鑑定では鑑定を行った大学教授と一致するDNAが複数検出されていて、別人のDNAを検出している可能性が極めて高く信用性が乏しい」と反論しました。 弁護団・伊豆田悦義 弁護士: 常識的に考えれば客観的な実験結果というデータに基づいてみれば、十分信頼性のある鑑定なんだと DNA鑑定をめぐる信用性についてそれぞれが主張しました。
-どうご覧になりましたか? 菊地幸夫 弁護士: 再審というのは問題となった裁判をやり直すという手続きなので少し時間はかかるけれど、やむを得ない面もあるかと思います。ただ、弁護側がDNA鑑定が一致しないということを証明する責任を負っているわけではなく、あくまでも検察側が袴田さんが犯人だということを立証しなければいけない責任を負っているというところを認識してもらえたら。それを曖昧にすれば少なくとも有罪判決を崩せるということです 再審公判は4月24日と5月22日の結審を残すのみで、判決は2024年夏頃に言い渡される見通しです。
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