新型コロナウイルス「濃厚接触者」とは 身体的な接触だけじゃない?
新型コロナウイルスの感染者が国内でも増加する中、ニュースなどで「濃厚接触」という言葉を耳にする機会が増えています。感染者と濃厚接触した人は、ウイルス感染の可能性が疑われるためです。一体どのような場合が濃厚接触に当てはまるのでしょうか。 【動画】新型コロナ「咳エチケットと手洗い」が二大感染対策 専門家呼びかけ
空間の共有や対面での会話も該当
2月13日に感染が報告された東京都内在住の70代タクシー運転手の事例では、屋形船での新年会に参加したこの男性運転手と濃厚接触した従業員らの感染が確認されています。 「濃厚接触者」について、国立感染症研究所感染症疫学センターは「『患者』が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である」と定義しています(※)。 (1)新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者 (2)適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護もしくは介護していた者 (3)新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者 (4)手で触れること、または対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで「患者」と接触があった者(患者の症状やマスクの使用状況などから患者の感染性を総合的に判断) 厚労省によると、濃厚接触とは必ずしも身体的な接触だけでなく、感染者と同じ空間にいたり、対面で会話をしたりした場合も含まれるケースがあるといいます。 では具体的にはどのような事例が想定されるのでしょうか。同省の担当者は次のように説明しています。 「例えば、同じ職場で隣の席に座っていて、マスクを着用せずに長時間会話をしたケースは濃厚接触だと考えられます。咳やくしゃみによる飛沫が飛ぶ範囲を想定して距離を2メートルと設定していますが、これはあくまでも目安です。マスクをしていたり、2メートル以上離れていたとしても感染する可能性はあり、接触状況を総合的に判断します」 (※)国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(暫定版)」令和2年2月6日版を参照