「最高速度60キロ」歌舞伎町で「違法電動自転車」が大流行…キャッチが「ノーヘル」で爆走している訳
夜の街、新宿・歌舞伎町で今電動自転車が大流行している。夜になると大量の大型の電動自転車が路上に駐車されており、数時間で100台以上は確認ができるだろう。 【画像】プレイ内容まで詳細に...パパ活をするトー横キッズの営業Twitter 普通の電動自転車であれば問題ないのだが、この自転車は原付並みのスピードが出るのが問題だ。 流行の電動自転車は一般的に販売されているような自転車に比べて価格が高く、メーカーにもよるが、最も主流の自転車は約33万円。 こうした電動自転車はE-BIKEとも呼ばれ電気スクーターなどとは区別され販売されているようだ。 専用シート、ライト等、カスタムパーツも豊富で、オリジナルの自転車を作り上げることが可能なところも他のメーカーとは異なっている。 しかし、この自転車には問題になる点がある。それは速度。 電動自転車に詳しい山野祐介さん(Xアカウント@yamanoyy)から話をきいた。 「日本では、『電動自転車は、24km以上の速度では電動アシストをしてはならない』ため、リミッターの搭載が道路交通法の基準で義務付けられています。しかし、海外製の自転車には私道走行を前提として、もともとリミッターがついていないものや、アプリの連携や外部部品の導入によってリミッターが簡単に解除できてしまうものもあります。 日本製の電動自転車は、基本的にモーターの定格出力が240Wの車種が多い。それ以上のパワーがあるモーターを搭載しても、道路交通法の基準的に宝の持ち腐れとなってしまうためです。しかし、海外製の電動自転車は500Wや750Wという、バイク顔負けの定格出力をもつ機種も珍しくありません。 リミッターのない状態でハイパワーなモーターをフル稼働させれば、時速50~60kmは軽く出るでしょう。もちろん道路交通法には違反していますが、見た目が自転車なので発覚しづらく、こうした自転車は都内でも多く見かけます」 日本では人がペダルを漕ぐ比率に対して、アシストパワーは1対2でなければならない。またペダルを漕いでいない状態での走行はできない構造で、アシストのパワーは時速10kmを境に減少し、24kmでアシストの比率が0になることなどが道路交通法に定められている。 しかしながら歌舞伎町には、ペダルに足を軽く乗せただけで時速20~30kmが出てしまうような、違法なアシスト比の自転車等が見受けられる。 そんな危険な自転車に乗っているのは、ほとんどがキャッチなのだという。 歌舞伎町周辺に住んでいるキャッチ達は、この電動自転車に乗って職場である路上に現れる。いわば通勤のための乗り物だ。 なぜこの電気自転車が流行ったのか。歌舞伎町のキャッチ達はこう話す。 「かっこいいからですね。キャッチをしている人間は昔ながらのヤンキー気質と言えばいいのか、バイクのような乗り物が好きです。この自転車はタイヤも大きくて太い。またカスタムもできる。普通の電動自転車よりもイケています。彼らが、普通とは違う自転車に乗りたいと思い流行になっています」 この自転車の利点といえば、歩く場合は遠い距離でも、楽に移動でき、アシストも強力である点だ。 深夜まで活動をしているキャッチが、終電やタクシーを気にせず路上に来るために活用していることも頷ける。他の人と差をつけるために違法な改造をしやすいことも、キャッチが目を付けた理由だろう。 しかし、こうした自転車での暴走行為、違法な乗り方も問題としてあるのは事実。こうした違法な乗り方をしていることについて、歌舞伎町にいる人たちから話を聞いた。 「二人乗りなんかはよく見かけますね。『ちょっと乗せて』とチョイ乗り感覚で路地を移動しています。かなりの速度で繁華街を移動しているので、歩行者と衝突するような危ない現場もあります。あれでノーヘル運転なのは怖いです。いつか大きな事故を起こしそうで」 違法な走行によって、事故が起きてもおかしくはない。歌舞伎町の路地裏のような狭い場所での走行はさらに危険だ。 また改造をしていた場合、ブレーキが強力であっても、原付バイクと同じようなスピードで走るため、危険度は高い。大きな事故が起こらないことを祈るばかりだ。 取材・文・PHOTO:白紙 緑
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