【デーブ大久保コラム】この夏の高校野球も球児たちが数々のドラマを見せてくれています
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 道府県の夏の甲子園出場校が続々と決まっています。私の母校の水戸商高はベスト16で、茨城の代表校になった霞ヶ浦高に負けました。 【選手データ】大久保博元 プロフィール・通算成績 個人的には、学生野球資格はいまだ回復していないので、簡単には母校の練習を見に行くことはしていません。そのうち資格回復する予定でいます。もし、もし、どこからか声を掛けていただけるようでしたら、プロで培ったノウハウを生徒に惜しみなく伝えたいとは思っています。 もしもの場合ですが、生徒たちには、多くバットを振らせたいですね。しかも楽しくやらせたい。音楽をかけながら、リズムも体に覚えさせながら。プロ野球の打撃練習中は、音楽がよく流れています。あの感じを取り入れてやりたいです。中畑清さんが現役時代に『兄弟船』を流して打っていたと言っていましたが、あの演歌の曲調でリズムは取りにくいですから(笑)、そこはやはりポップな曲がいいですね。 最近は多くの元プロ野球選手が高校野球の場で活躍していますよね。臨時コーチ、監督など。私立が多いように思いますが、県立、市立の高校などでは逆に野球をあまり知らずに、監督を任せられる高校教師もいると聞きました。そういうところに元プロ野球選手が、監督として入っていけるようなシステムがさらに構築できると、先生たちの負担軽減になります。そして何より、選手たちにとって、プロの技術を受けられるいい機会になりますし、野球の底辺拡大にもつながっていくはずです。 そうなれば考えられないようなエラーも少しは減るとは思います。一方で、そういう部分があるのも高校野球です。今回の各大会の決勝でも、エラー、四球絡みでさまざまなドラマが生まれたようです。ただこれも最後は運の問題のような気がします。私の高校3年生の最後の大会は、取手二高と水戸商高が優勝候補でした。自慢ですが「茨城に大久保あり」と言われたようですので、それなりの強いチームだったと思います。 それが3回戦で進学校の勝浦高に2対3でサヨナラ負けを喫しました。試合前に「絶対に負けない相手」だと思っていましたし、試合前のブルペンで相手先発の投球練習を見ても「大丈夫だ」という感覚でした。それが、試合が始まると……。イニングは忘れましたが、二死二塁で、私が強烈なレフト前を放ったのですが、二塁走者が一死と思い込み、打球を見てバックしてしまい、二死一、三塁となるも、結局得点はならず。 9回裏には、サヨナラの場面でレフトに守ったことないエースが入り、そこに打球が飛び、目測を誤って前に出てきてしまい、彼の頭上を越されてサヨナラ負け。ミスが2つも出て負けました。負けるときはそういうもの。何度も練習はしているけど、緊張した場面でミスが出てしまう。夏の甲子園の大会は、もう「運」以外の何物でもないと思いますね。ミスが出てしまうのも「運」としか説明できない。それくらい選手たちが必死だということだとも思います。
週刊ベースボール