スベってもアートなのです ツッコミ求めた美術倶楽部の部長・ボンざわーるど 吉本シン新喜劇
吉本新喜劇の座員の中でアートの才能に秀でた座員が集結し、「吉本新喜劇美術倶楽部」として活動していることをご存じでしょうか。昨年3月に初のアート展を開催し、好評を博しました。今回はこの倶楽部の部長、ボンざわーるどを紹介します。 大阪の吉本総合芸能学院(NSC)の21期生で芸歴26年。東京に進出し、お笑いコンビ「カナリア」として平成22年に「M-1グランプリ」のファイナリストになった実績もあります。 その後、コンビはうまくいかずに解散。ピンで3年ほど活動したそうですが、「俺のネタはツッコミがいないと成立しなくて。テレビで新喜劇を見て、『ツッコミいっぱいいるやん!!』と発見して大阪に帰ってきた」と、独特の入団理由を教えてくれました。 「新喜劇は全員が相方みたいなもの。コンビの経験があったからこそ、すごいことだと思える」 そんな彼は、誰も思いつかないような自作の小道具で独自のネタを繰り出し、新喜劇の中でもアートの才能を爆発させています。 「いつか美術倶楽部のメンバーで新喜劇をやってみたい」。部員は酒井藍、吉田ヒロ、松浦真也、金原(きんばら)早苗、小林ゆう。「ツッコミがいないから、俺がアート的にツッコむ」と、不安でしかない野望を語ります。 「スベっても『これがアートです』で押し通し、『新喜劇は爆発だ!』で終わる」と訳の分からないことを言い出したので、筆者は思わず「やめてください」と制止しました。 12~18日には、大阪高島屋(大阪市中央区)で吉田の個展「ギャグアート展Vol.6」が開催され、美術倶楽部のメンバーも作品を出展します。 「大先輩のヒロ兄さんが『美術倶楽部に入れてくれたことがうれしかった』と、恩返しに今回の個展に呼んでくれた」。すてきなエピソードをニコニコ語るボンざわーるどの出展作品は、3Dプリンターで作った「宇宙戦艦ジョウロ」だそうです。これは、気になります。 ボンざわーるどのワールド、そしてヒロ兄さんの世界を体験しに、ぜひ高島屋へ足を運んでみてください!(吉本新喜劇座員・芸人ライター 吉岡友見)