スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
最初で最後になったイタルデザインのスバルGTカー
スバルは1980年代に誕生した「レガシィ」でステーションワゴンの火付け役になり、大きく発展していった自動車メーカーです。 【画像】30年以上前に登場したスバル伝説のクーペ「アルシオーネSVX」の画像を見る(29枚) また、水平対向エンジンやラリーなどで活躍した4輪駆動技術などが魅力ですが、そんなスバル独自のメカニズムをふんだんに投入した希少なラグジュアリークーペが米国のオークションに登場し注目を集めています。
そのクルマは「アルシオーネSVX」で、スバル史上もっとも贅の限りを尽くしてつくられたクルマとして、いまなお高い支持を得ています。 アルシオーネSVXは1989年の東京モーターショーに登場したコンセプトモデルのデザインほとんどそのまま、2年後の1991年に発売されたクルマで、当時は大きな話題となりました。 最大の特徴はイタリアを代表する工業デザイナーである、ジョルジェット・ジウジアーロ氏率いるイタルデザインにデザインを依頼したことです。 アルシオーネSVXは、ジェット機のキャノピーのようにキャビンのほとんどをガラスエリアで覆うことで、ジウジアーロらしい印象的なフォルムとなりました。 また、フロントグリルとヘッドライトをクリア素材で繋ぐ手法やリアタイヤハウス付近まで大きく回り込んだリアコンビランプは、類をみないデザインながらもスバルらしさをしっかり継承しています。 インテリアは社内デザインチームが担当しましたが、独特な形状のヘッドレストや完全オリジナルのセンターコンソールなど、アルシオーネSVXのスペシャリティ感を出すのには十分でした。 パワートレインはフラッグシップモデルらしく、3.3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載し、駆動方式はスバルらしいフルタイム4WDを採用しています。 スバルのフラッグシップGTカーから発生される最高出力は240ps、最大トルクは31.5kgmとなっていて、大人のGTカーらしいピークパワーよりもトルクを重視したセッティングといえるでしょう。 また、アルシオーネSVXは国内専売モデルではなくグローバル展開されており、北米以外でも欧州などでもリリースされていました。 ただし、発売時期がバブル崩壊と重なったため、日本での販売台数は伸び悩み、販売比率は25%程度に留まりました。