米銀業界団体、FRBを提訴 ストレステストの透明性向上要求
[24日 ロイター] - 米銀業界団体は24日、銀行に対する年次ストレステスト(健全性審査)が法律に違反しているとして、米連邦準備理事会(FRB)を提訴した。 提訴したのは銀行政策研究所や米銀行協会、米商工会議所など。訴訟はオハイオ州コロンバスの連邦地裁で提起した。FRBが仮想的な経済混乱に対して大手銀行がどのようなパフォーマンスを示すかを判断し、それに応じて必要資本を割り当てるというやり方は、適切な行政手続きにのっとっていないと主張している。 世界金融危機後に成立した2010年のドッド・フランク法は、FRBが銀行のバランスシートをテストすることを広く義務付けているが、テストの一環としてFRBが行う自己資本比率の分析や、その結果としてFRBが金融機関に積み立てるよう指示する自己資本は、法律で定められているわけではない。 訴訟で原告側は、銀行の業績評価で使用され、現在機密扱いとなっているモデルや、脆弱性を見極める年次シナリオの詳細を公表し、フィードバックを募るよう、FRBに求めている。プロセスをより透明性のあるものにし、一般からのフィードバックに応える必要があると訴えたが、ストレステスト自体の廃止を求めているわけではないとした。 FRBは23日、最近の法改正を踏まえ、ストレステストを大幅に変更することを検討していると発表。ストレステストに用いる仮定のシナリオについて、貸し手側が意見を述べることを認める可能性もあると明らかにした。また、銀行が潜在的損失を吸収するために確保しなければならない資本の年間変動を抑えるため、2年間の結果を平均化する可能性もあるという。 ストレステストを巡っては、銀行が長年、不透明で主観的だと訴えてきた。FRBは、銀行が試験をクリアしやすくなるとの懸念から、テストのプロセスを完全にオープンにするよう求める声に抵抗してきた。