市長問責決議を可決 一般質問の発言「議会軽視」 石垣市議会
石垣市の中山義隆市長が市議会で野党の一般質問に対し、議会を軽視する発言をしたとして、野党が17日、市議会9月定例会の最終本会議で問責決議を提出し、賛成多数で可決された。決議に法的効力はなく、市長が追うのは政治的責任にとどまる。閉会後、中山市長は八重山日報の取材に「言い間違いをした部分があり、訂正する前の発言なので決議の妥当性に疑問は残るが、決議は真摯に受け止め、発言には注意したい」と話した。 中山市長は13日、野党の内原英聡氏の一般質問に答弁した際、締めくくりで「内原議員の一般質問を終わりたいと思います」と発言。議場が騒然としたため、直後に「内原議員の一般質問に対する回答を終わらせていただきます」と訂正した。 問責決議では「今回の発言は『議員の一般質問に対し、市長が質問の終了を宣言する』というものであり、議会対応として常軌を逸していると言わざるを得ない」と批判。 これまでの市長の議会対応について「特に自席からの議員に対する野次は常態化ともいえる状況にあり、本来、執行当局の関わらない議員提出議案等の議論にも言及する始末である」と指摘。 その上で「4期の長きに渡り市政を担ってきた中山市長には、今一度初心に戻り二元代表制が何たるか考えてもらい、市長職の責任の重さを再認識していただくため、議会として責任を問う」とした。花谷史郎氏が提案した。 賛成討論した野党の宮良操氏は「市長の議会対応は目に余るものがあり、再三議会を空転させている。発言を訂正したからいいという問題ではない。これまでの積み重ねだ。決議は遅きに失した」と批判。 与党の友寄永三氏、長山家康氏が反対討論し「その場ですぐに訂正謝罪している」(友寄氏)、「発言は問責するようなものではなく、過剰反応だ」(長山氏)と反論した。野党からは「市長は謝罪していない」と野次が飛んだ。 中立会派の箕底用一氏は「市長の議員を揶揄(やゆ)するような発言は、市長を応援する人も不愉快にさせる」と苦言を呈した。 採決では野党8人と中立3人の11人が賛成、与党10人が反対した。 この日の最終本会議では、市が提出した議案の採決がすべて終わったことを受け、中山市長は退席。そのまま島外に出張した。 だが市長の退席が議会の閉会前だったため、野党は「最終本会議が閉会するまでは出席するのが招集者としての責任だ。議会が終わらないうちに出張に出ることが本来、あっていいのか」(宮良氏)と反発した。 市議会はこの日の最終本会議で、一般会計補正予算案など市提出の議案を可決、閉会した。