賢い人がマンション投資や生命保険をやらない理由。「安定的に資産を守り、増やす」のに最強の金融商品は「投資信託」ひとつだけ
投資のプロが明かす 私が50歳なら、こう増やす! #2
生命保険は50代にとって本当に必要なものなのだろうか。また、「50代で投資を始めるのはすでに遅いのではないか」と思っている人が多いようだが、それは事実なのか。実は「今ほど低コストで良質な金融商品が揃ったことはない」とSBIグローバルアセットマネジメントの代表取締役である、朝倉智也氏は断言する。 【図を見る】本当に必要? 世代別年間で払い込む生命保険料
書籍、『投資のプロが明かす 私が50歳なら、こう増やす!』より、マンション投資に潜むリスクや、生命保険が本当に必要なのかを一部抜粋して、わかりやすく解説する。
「元手をかけずにマンション投資」にひそむワナ
「マンション投資」についても、ここで取り上げておきましょう。広告がたくさん出ているのを見たり、あるいは営業を受ける機会があったりして、「不動産投資なら自分にもできるかもしれない」と考えたことはないでしょうか? 不動産を所有して賃料を得るというのは、形のある物を自分の名義にできる安心感や「だまっていても定期的にお金が入る楽なやり方」といったイメージがあるのかもしれません。 それこそ、「賃料収入があれば、老後に年金の足しにできるのではないか」と考える人もいそうです。 そこで「元手がなくても頭金ゼロで銀行がお金を貸してくれる」と聞けば、「試しにやってみよう」と本気になる人もいるでしょう。 しかし、これだけ頻繁に広告を目にするにもかかわらず、私の身近にはマンション投資経験者がいません。金融商品に詳しい私の周辺の人たちの中に「マンション投資で儲かった」という人がいないのは、それなりに理由があると考えています。 マンション投資でよく聞くのは、「頭金ゼロでも銀行からお金が借りられます」「借りたお金でマンションを買えば、賃借人探しや物件の管理はすべて業者がやります」「毎月15万円の賃料収入が得られます。毎月10万円ずつローンを返済すれば、残りが収入になります」といったセールストークです。 これを真に受けると、「そんなおいしい話があるのか」と感じるのも無理はないかもしれません。 しかし、このようなセールストークに乗せられてマンション投資を始めれば、高い確率で痛い目を見ることになるでしょう。 マンションの維持にかかる固定資産税や修繕積立金などが見積もられていなかったり、マンションに不具合が出れば、そのたびに修理費用がかかったりするというのはよくある話です。 また、これから10年、20年と賃貸していく間、ずっと借り手がいて、家賃収入が入り続けると考えるのは甘いかもしれません。 日本では2011年以降、一貫して人口減少が続いている一方、マンションの大量供給が続いており、各地では空き家問題も噴出しています。借り手がつかなくなれば、ローンの返済だけが重くのしかかることになりかねません。 もちろん不動産投資も、よい物件を見抜く力や不動産管理の知識などを持ち、人任せにせずに真剣に取り組めば、リターンを上げることは可能かもしれません。 しかし「片手間にできそう」といったイメージで安易に手を出すのは、まったくおすすめできません。私自身は、マンション投資に手を出すつもりはありません。