大谷翔平を待つ大リーグの「ポストシーズン」とは 花巻東対決の夢も
「ヒリヒリする9月を過ごしたい」と話して新天地に移籍した30歳にとって、これこそ求めていたシーズンだろう。大谷翔平の所属する大リーグ・ドジャースが、ナショナル・リーグ西地区首位でレギュラーシーズンの佳境を迎えている。 【写真】9日のカブス戦で、五回にヒットを放つドジャースの大谷翔平=AP このままドジャースが3年連続の地区優勝を果たせば、待ち受けているのは4年ぶりのワールドチャンピオンをめざすポストシーズンだ。 今季は10月1日(日本時間2日)に開幕し、約1カ月にわたって「世界一」を巡る戦いが繰り広げられる。 ポストシーズンに進めるのは、全30球団中12球団。アメリカン・リーグとナショナル・リーグの東、中、西の各地区を制した6球団と、各地区2位以下の球団のうちで各リーグの勝率上位3番以内に入った「ワイルドカード」の6球団だ。 世界一までの道のりは3回戦制のワイルドカードシリーズ、5回戦制の地区シリーズ、7回戦制のリーグ優勝決定シリーズ、そしてワールドシリーズに分かれている。 地区シリーズからの登場になるのは、地区優勝したチームの中で勝率が各リーグ1位、2位のチームだ。それ以外の8球団はワイルドカードシリーズからの登場となり、世界一までに計13勝が必要となる。 大谷の所属するドジャースは9月9日現在、ナショナル・リーグ全体で東地区1位のフィリーズと並んで最も高い勝率となっている。もしこのままシーズンが終了した場合、地区シリーズからの参戦になる。 ドジャースがポストシーズンに進出すれば12年連続。この間3度ワールドシリーズにも進み、2020年にはレイズを破って32年ぶり7度目のワールドチャンピオンに輝いている。 ただ、ここ2年はいずれも地区シリーズで敗退となっている。短期決戦では特に投手力が重要となる。先発投手の故障離脱が相次いでいるドジャースとしては、なんとか立て直して勝負の10月に臨みたいところだ。 日本人選手が所属する球団ではほかに、ドジャースと同じナショナル・リーグ西地区のパドレス(ダルビッシュ有、松井裕樹)、アメリカン・リーグ西地区のアストロズ(菊池雄星)がポストシーズン進出有力だ。 ナショナル・リーグとアメリカン・リーグの球団がポストシーズンで対戦するのは、ワールドシリーズに限られる。 もしドジャースとアストロズが勝ち進めば、大谷と菊池の岩手・花巻東高の先輩後輩対決が世界一をかけた舞台で実現するかもしれない。 本塁打を量産しているジャッジが所属するヤンキースもアメリカン・リーグ。大リーグでも屈指の人気を誇る2球団の看板スラッガー同士の夢の対決にも、期待が膨らむ。(安藤仙一朗)
朝日新聞社