【NBA】WOWOWのNBAオールスター2024生中継で五十嵐圭がゲスト解説
フロアバランスを注目して観ています
──同じポイントガードの選手で気になる選手はいますか? 五十嵐:今回のメンバーだとミルウォーキー・バックスのデイミアン・リラードですね。移籍をせずにポートランド・トレイルブレイザーズに骨をうずめると思っていたのですが、バックスに移籍したのは、やっぱりチャンピオンリングが欲しいのかなと思いました。 僕自身も新潟アルビレックスBBから群馬に移籍してきた一つの目標にリーグ優勝を挙げています。もちろん新潟にいたから優勝できないというわけではありません。自分にとっても新潟は故郷でありBリーグ初年度からあったチームなので思い入れがあります。 リラードは移籍してもオールスターの先発に選ばれ、チームが変わってもしっかり結果を出せるのは凄いなと思います。リラードの一番の凄さはクラッチタイムに強いところです。他チームからすれば、ヤニス・アデトクンボとの“ビッグ2”はすごく守りにくいと思います。 ──プレーヤー目線でNBAを見る時はどのような部分を見ていますか。 五十嵐:どうしてもポイントガードの選手に目がいってしまいますが、フロアバランスを見るようになりました。ガードの選手だけではなく、他の選手たちも含めて全体を見ています。若い頃は代表として、ヤオ・ミンがいる中国代表と対戦した時とか全員が2メートル以上で、ゾーンディフェンスをやっているのではないかというくらいコートが狭く感じました。 NBAだとそれ以上の大きい選手がいる中で、フロアバランスを注目して観ています。その辺が今までと違った見方になりました。今までだと、どういうボールハンドリングをしているとか個々の動きとかを追っていましたが、最近はどちらかというとポイントガードだけでなくコート上の選手全員がフロアをどのようにスペースを使っているのかを見るようになりました。もちろんこれまでも見てはいましたが、今の方が視野は広がったと思います。 ──オールスターが終われば、シーズンも佳境に向かって今まで以上にし烈な戦いが繰り広げられてきます。プレーオフ、ファイナルの展望をお聞かせください。 五十嵐:ここ数年は絶対的エースの力だけではなく「組織力で勝っているチーム」が上位に来ている気がします。ベンチメンバーや仕事ができる選手が揃っているチームが強いですよね。イメージ的には、デンバー・ナゲッツやマイアミ・ヒートです。もちろん絶対的エースもいますが、その中でも総合力あるチームが勝ち上がってくると思います。 現時点では、東カンファレンスはミルウォーキー・バックスがファイナル進出の第一候補です。首脳陣とのケミストリーは懸念されますが、オールスター明けにどうなっているかですね。実力的にはリラードとアデトクンボという2大エースがいるのは魅力的です。 一方の西カンファレンスは、ロサンゼルス・レイカーズが上がってきてほしいです。レブロンや(アンソニー・)デイビスといった短期決戦であるプレイオフの勝ち方を知っている選手がいるのは大きいと思います。あとは、同じ群馬クレインサンダーズの(八村)阿蓮のお兄さんもいますしね。
NBAオールスターゲーム2024は、2月19日の午前10時からWOWOWライブとWOWOWオンデマンドにて生放送・ライブ配信される。ゲスト解説の五十嵐の他に、実況は近藤祐司、解説は伊藤大司、進行は宮脇咲良が担当する。
大西玲央