映画『インターステラー』米女優、ジェシカ・チャステインインタビュー
――ノーラン監督は、かなりエフェクト(=特撮)に挑戦するそうですね? 砂埃とかはそうだった。作品によっては、そういったことは後から付け足したりもするけど。 ――今はCG技術も発達していますが、そういったエフェクトは演技をするうえで役に立ちましたか? それとも「ここまでする必要はない」と? 間違いなく役に立ったわ。私が聞いた話では、映画『タイタニック』でジェームズ・キャメロンは、水を冷たくさせたかった。何故なら水に触れた瞬間にそれが分かるから。息遣いとかからも。私は自分の周りにある環境に反応する方が好き。役者として私は常に“真実”を探しているの。その状況における“真実”をね。もしグリーンスクリーンとかで、砂埃がぶつかってくるフリをしながら何かを演じていたら、それは私のキャラクターが本当にすべきことの邪魔になるわ。
――劇中では重力理論やワームホール、ブラックホールなどの宇宙理論が数多く登場しますが、役を演じるうえでどのようなリサーチをしましたか? この作品のエグゼクティブ・プロデューサーはキップ・ソーンで、有数の理論物理学者なの。彼が現場にいたから、私たちはどんな疑問でも直接、アイディアの元となった人に聞くことができたわ。私が何かセリフを言おうとしたら、自分が言っていることをちゃんと理解していないといけない。そうでなければ、「何でそのセリフを言うの?」となってしまうから。 ――この映画では環境問題も大きなテーマの一つになっています。作品に携わったことで、温暖化問題や異常気象、食糧危機といったことを、より意識するようになりましたか? そうね。そういったことはいつも頭の中にあったわ。私は、もっとも地球が維持しやすいやり方で生活するように心がけているの。菜食主義だし。 ――どういったキッカケで菜食主義に? 私の健康がキッカケね。8年くらい前に、病気で体が良くならなかった。それで2週間、野菜だけを食べて生活していたら、とても良い感じがしたの。でも、その後に魚を食べ始めたら、また調子が悪くなって(笑)。私自身は別に菜食主義者になる必要はないと思っていたけど、それが私に合っているというのが明らかだったから。でも、誰かが私に言ったわ。牛や鶏などから出るメタンガスの影響は、すべての車や飛行機、船を合わせたものよりも大きなダメージがあるってね。 ――たぶん、私も肉を食べるのをやめるべきですね。 その必要はないわ。ただ、私はみんなに1週間に1日だけでも肉を食べないようにすることを勧めている。何故なら、もし世界中のみんなが、「月曜日は肉を食べない」と決めたら、世の中が変わるから。それは環境をとても大きく変えることになるわ。