自民党都連の下村博文会長が会見(全文1)東京を世界で一番の都市にする
豊洲問題で無駄な税金が使われている責任を小池知事はどう考えるのか
今回の大きな争点の1つとして豊洲市場移転問題がありますが、小池都知事が決断しないために都民ファーストでもこのことについては政策として掲げておりません。都議会は二元代表制ですから小池都知事に対して無条件で白紙委任状を出す、イエスマン、そういうことであってはならないと思います。自民党は謙虚に一党、あるいは官邸一強とか言われますが、今回の会期末の結果を受けて、今まで以上に謙虚に反省するところを反省しながら、しかし最終的にやはり都民に自民党が最も信頼できると思っていただけるような選挙をぜひしていきたいと思います。つまり都議会においてはチェック機能をきちんと持ちながら、小池都政をさらに前に進めるための積極的な提案を厳しく、しかし都政にとって重要な、そういう視点から自民党が発信しなければ、都議会機能が事実上白紙委任状のような状態になる、なりかねないと私たちは訴えていきたいと思っています。 その1つの象徴が小池都知事が誕生してから豊洲市場移転がいまだに止まったままという問題点があります。これは20年来の議論の中で豊洲移転を決めて、そして昨年の11月に豊洲開場、豊洲市場をオープンする予定でありましたが小池知事が誕生し、ストップして今に至っています。小池都知事は都議会に百条委員会を設置させて、ここで豊洲市場関係の利権を追及しようと考えていたのではないかと思いますが、結果的には利権とかブラックボックス的なものはなかったというのが百条委員会で明らかになったことだと思います。ただ盛り土が地下ピットに変わっていたとか、本質的な問題ではありませんが、それのほうがかえって良かったわけではありますけども、しかし東京都の行政の情報公開なり説明責任、それは明らかになったということは、これは一定の評価だと思います。 そして、最近の報道では、小池知事が豊洲市場を、移転を認めるのではないか、その場合、築地市場の活用も考えるというアウフヘーベンをさせるというようなことが、一部報道で出てます。この問題について2つの視点から私は指摘を申し上げたいと思います。今までの経緯の中でも、専門家や科学者が豊洲市場は安全であると、都民に安心してもらうことは、知事自らがすべきであると。しかし、市場移転は安全であるということを、ずっと宣言していました。私も豊洲市場、現地に行きましたが、6000億掛けて立派な施設を造り、今でも使えるような、そういう準備がしてありました。使わないのにもかかわらず、維持管理費だけで、今、毎日500万円掛かっています。それ以外の補償費等で100億円が無駄に使われることになります。損害賠償を訴えられたら300億円を今の時点で超えるという報道もあります。この無駄な税金が使われているという、この責任を小池知事がどう考えるかということも、1つの問題点だと思います。 それから築地の再活用について発言をしておりますが、これが本当に合理性があって、採算性があるのかどうかということは今後問われると思います。結果的に両方使うということによって、反対する人はなくすという、都議会議員選挙絡みの考え方かもしれませんが、かえって無駄なコストが余分に掛かると。その税金をどうするのかということが問われると思います。 それ以上に実は、築地移転が決まらないために、喫緊のオリンピック・パラリンピックで大問題になることがあります。築地を移転することによって、その下に環状2号線を通すことと、築地の跡に大型駐車場を造るということが、もう間に合わない状況があります。選手村から新国立競技場まで、オリンピック・パラリンピック、3年後、6万台は通行する、それを完成できないことによる大渋滞問題をどう考えるか、大きな課題だと思います。築地市場跡に、バス2000台、乗用車4000台、合計6000台の大きな駐車場を造る、これも間に合いませんが、代わりの駐車場のめどはまったく立っていません。つまり小池都知事が全て都政を自分で判断しているために遅れてしまっている、そもそも判断つかないために、これから大きな損害が出てくるという案件があるわけです。 自民党の今回の都議会議員選挙のテーマ、これは、東京を世界で一番の都市にする、が、メインテーマです。今のままでは世界で一番の都市にしていくことは、ますます遠のくと思います。小池都知事に協力するところは協力しながら、議会サイドから積極的に提案し、加速度を高めて、そして東京を良くしていくと、そういう視点で都議会議員選挙を戦いたいと思います。 はい。あとは皆さんからご質問があれば、お答えさせていただきたいと思います。 【連載】自民党都連の下村博文会長が会見 全文2へ続く