古文・漢文のおすすめ参考書6選 まずは文法や句法を固めて【苦手・得意別】
試験で点数が伸びず古文・漢文に苦手意識を持っている生徒も多い。そんな高校生のために、参考書に詳しい塾講師の綿引和巳さんにおすすめの参考書を教えてもらった。(木和田志乃)
私大と国公立大で傾向が全く違う
―古文・漢文はどんな参考書がありますか? 古文・漢文は大学入学共通テストと私立大と国公立大の入試問題では出題傾向がまったく違っています。実際の入試問題をもとにした参考書が多いんですが、大半が私大向けと国公立大向けの問題が混ざっていて、1冊ですべてを対策しようとしています。本人がやりたい問題と問題集の構成がかみ合わなくなっていますが、この問題を解決する参考書は少ない、というのが現状です。
【古文】苦手な人は単語から固めて
―古文が苦手な人におすすめの参考書を教えてください。 古文は文法や単語が分からなければ、問題が解けません。まずは『基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル』(旺文社)をおすすめします。ページの上段に基礎事項や活用がまとめられていて、下段にチェック問題という構成で、基本事項を整理しながら身に付けていけるワークブックです。 ページ数が少なく、古文の単語をあまり覚えていない人でも解けるように考えられているので、古文に苦手意識がある人にも取り組みやすいと思います。シンプルですが必要な事項が網羅されていて、練習問題もできるワークブックです。 ―では、得意な人におすすめの参考書は? ある程度文法事項が分かっている人向けには『古文レベル別問題集1 文法編』(東進ブックス)。文章を正確に読み取るための文法を学べます。簡潔にまとめられた基本的な文法事項の要点を覚えてから、問題演習と解説をする、という作りになっています。 この問題集では、例題をカラーで単語分けをしていく品詞分解の解説が多いです。繰り返しやっていくので品詞分解が得意になりますし、文法の知識が定着します。問題量もそれほど多くはなく、古文に時間をあまりかけたくない生徒にも向いています。全6巻あり、シリーズ間のギャップがないように作られているので、順番に取り組んでいけば問題ないと思います。 ただし、本書は1でも「単語が分からなくて問題が解けない」と言われることもありますので、先に古文単語を勉強しておくとよいです。そこですすめているのが『覚え方別攻略 古文単語340』(Z会)。語彙(ごい)が少ない人向けに「語源から覚える」「漢字から覚える」など、覚えやすいように工夫されています。