100万人登録のVTuber花譜ら擁するレーベル運営のTHINKR、エイベックスグループから独立
バーチャルシンガー・花譜さんや、クリエイティブレーベル・KAMITSUBAKI STUDIOの運営で知られるTHINKRが、エイベックスグループから離脱する。 【画像】100万人登録突破時の花譜 エイベックスは6月21日に取締役会を実施。その中で、連結子会社のTHINKRが第三者割当増資を行うこと、エイベックスの子会社(エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ)が保有するTHINKRの全株式をTHINKRに譲渡することに基本合意したと発表した。 このTHINKRによる自己株式取得は7月26日(金)実施予定。その結果、THINKRはエイベックスとの連結を解消する。
花譜、KAMITSUBAKI STUDIOの運営で知られるTHINKR
THINKRは2007年に設立。グラフィックデザインやWebデザイン、映像制作、イベントプロデュースなど、総合的なクリエイティブプロダクションとして事業を展開。 近年はVTuber業界でも存在感を放っており、YouTubeチャンネル登録者数100万人を突破した花譜さんをはじめとしたバーチャルシンガーのプロデュースやマネジメント、メタバース空間におけるXRライブ制作などにも取り組んでいる。 エイベックスとの関係としては2018年5月、同社の子会社がTHINKRに出資。今回の発表時点で、エイベックスグループは同社の79%の株式を保有。連結子会社としてTHINKRに所属するクリエイターやアーティストの活動においてサービスを提供してきた。
エイベックス子会社の取締役らはTHINKRを離れる
一方で、THINKRは今後の事業展開に向けてさらなる新規事業の開始や設備投資を見込んでいる。 今回の第三者割当増資及び本自己株式取得についてエイベックスは、同社グループとして継続的に事業を見直す中で、新たな投資家候補を検討した結果、この取引がエイベックスにとって有益であると判断したという。 なお、自己株式取得の実施によって、THINKRの取締役また監査役を兼務しているエイベックス子会社の取締役2名、従業員1名及びエイベックスの従業員の合計4名は、THINKRの取締役または監査役を退任。 一方で、エイベックスとTHINKRとは別途事業提携に関する覚書を締結。提携関係を継続する予定だ。 第三者割当増資の阪急阪神ホールディングスとは複数のコラボ THINKRの第三者割当増資の割当先は、阪急阪神ホールディングス株式会社やそのファンドなど。
【THINKR第三者割当増資の割当先】
阪急阪神ホールディングス株式会社 阪急阪神イノベーションパートナーズ投資事業有限責任組合 ジャフコV7投資事業有限責任組合 ジャフコSV7-S投資事業有限責任組合 HIRAC FUND2号投資事業有限責任組合 阪急阪神ホールディングスとTHINKRといえば、これまでにメタバース空間上でのバーチャル音楽ライブなど、複数のコラボレーションを展開してきた。 特に、阪急阪神ホールディングスのオリジナルショートアニメ「HELLO OSAKA」では、バーチャル謎解きミステリー「魔女謎解」と題したコラボ企画を展開。花譜さんが声優として出演するなど注目を集めた。
恩田雄多