特殊詐欺を警官が見抜けず、相談の男性80万円被害
京都府警山科署は15日、京都市山科区の無職男性(51)が、通信費名目の架空請求で約80万円をだまし取られたと発表した。男性は交番を訪れて相談したが、対応した署員が特殊詐欺だと見抜けず、被害を防げなかった。 発表では、男性は12日夕、携帯電話にかかってきた通信会社を名乗る男から「クラウド使用料が未納で、延滞料と裁判費用が必要」などとして、約30万円を要求された。男性は振り込みのために立ち寄った銀行で「詐欺ではないか」と言われ同署管内の交番を訪ねた。
30歳代の男性巡査長が男性から状況を聞き取る中、携帯電話に再び着信があり、巡査長が電話の相手と直接話した上で「催促の理由に矛盾はない」と判断。交番には署員がもう一人いたが、情報を共有せずに男性を帰し、男性は別の銀行のATMで約30万円を振り込んだ。 男性は13日、別の男から電話で同様の要求をされ、50万円を振り込んだという。さらに15日にも似た電話があり、そばにいた親族の指摘で、被害が判明した。
同署は「署員はまず、金融機関で詐欺を疑われ、電話だけで現金を要求されていることを不審に思う必要があった」とし、「看破できず極めて残念。署員の指導を徹底する」としている。