釈放のワトソン容疑者、反捕鯨活動の継続を宣言 「日本船に介入も」パリで会見
【パリ=三井美奈】デンマークが日本への身柄の引き渡しを拒否し、釈放された反捕鯨活動家ポール・ワトソン容疑者(74)が21日、パリで記者会見した。日本の捕鯨船が「南極海サンクチュアリ(保護区)に入ってきたら、介入する」と述べ、活動を続ける意向を示した。 ワトソン容疑者は20日、政治亡命を求めているフランスに到着。支援者集会にあわせて記者会見を開き、日本政府へのメッセージとして「国際法を守れ」と発言した。国際司法裁判所(ICJ)の2014年の判断に言及し、日本の捕鯨は国際法違反だという従来の主張を繰り返した。 「なぜ日本の法廷で持論を主張しないのか」という質問に対しては、「日本の制度では『罪』を認めるまで、長期勾留が続く。私は決して認めないから、戻れなくなる」と主張。そのうえで、15年にオーストラリア連邦裁判所が日本の捕鯨会社に罰金支払いを命じた裁判に言及し、「この時、日本側は出廷せず、罰金も払わなかった。誰が罪人なのか」と反論した。南極海サンクチュアリは、国際捕鯨委員会(IWC)が定めた鯨の広域保護区。 ワトソン容疑者は反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者で、今年7月、デンマーク領グリーンランドで日本の国際手配に基づいて身柄拘束された。デンマーク政府は日本への身柄引き渡しに応じないことを決め、今月17日に釈放した。