1995年は「震」 これまでの「今年の漢字」を振り返る
一年の世相を表す漢字一字を選ぶ「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会主催)。全国から公募し、毎年12月12日に発表しています。2013年は「輪」が選ばれました。これまでに、どんな漢字が選ばれているのか振り返ってみましょう。
1995年から始まる
「今年の漢字」は阪神・淡路大震災が起きた1995年から始まりました。この年の漢字は「震」。1月に阪神・淡路大震災、3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件が起きるなど、まさに世間を震撼させる出来事が起きました。 O157による集団食中毒や狂牛病不安が広がった1996年は「食」、山一證券や北海道拓殖銀行が経営破たんし、日本経済に大きなショックが走った1997年は「倒」、和歌山毒物カレー事件が起きた1998年は「毒」と、当初はやや暗い漢字が続きました。 2002年は、日本経済がバブル経済前の水準に戻り、「亜麻色の髪の乙女」や「大きな古時計」など昔の歌がリバイバルヒット、北朝鮮拉致被害者が24年ぶりに帰国したことなどから「帰」が選ばれました。 少し異色だったのが2003年。この年の漢字は「虎」で、星野仙一監督率いる阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、トラ・フィーバーに沸きました。 2005年、2006年は皇室関連のニュースに関係した漢字を選出。紀宮さまと黒田慶樹さんのご成婚で「純愛」がブームになった2005年は「愛」、秋篠宮ご夫妻の長男「悠仁さま」が誕生した2006年は「命」でした。 政治の動きが漢字になった年もあります。オバマ氏が「チェンジ」を訴え、米大統領選に勝利した2008年は「変」、政権交代によって民主党政権が誕生した2009年は「新」が選ばれました。 食品の産地や賞味期限、政治家の年金記録など、さまざまな偽装・改ざんが問題になった2007年は「偽」、東日本大震災など大災害が相次いだ2011年は、家族や仲間との絆の大切さを再確認したとして「絆」が選ばれています。 ちなみに、過去19回のうち、2回選ばれた漢字があります。それは「金」です。シドニー五輪の高橋尚子選手の金メダルが鮮烈だった2000年と、ロンドン五輪で日本が史上最多の38個の金メダルを獲得した2012年。五輪の金メダルがもたらす印象の強さがうかがえます。