【50周年】「アルフィー界隈は時間軸がアメージングゾーン化」THE ALFEEをデビュー年から辿る!
●バンド名の衝撃
バンド名についても衝撃的な事実を知った。なになに、坂崎さんが高校時代に入っていたバンドの名前が「へそ下三寸」……! 私は唸った。坂崎さんがつけたバンド名ではないとしても、「音楽以外に頓着がないため、周りが『本当にそれで大丈夫か』と心配になるような変なバンド名を勢いで付けがち」という音楽小僧あるあるにビシリと当てはまるではないか。スターダスト☆レビューも、デビュー前のバンド名は「アレレのレ」だったそうだし。 しかもこれだけでは終わらない。なになに、アルフィーの前身となったバンド名「コンフィデンス」は櫻井さんがCMで見たデオドラントスプレーが由来? デビュー直前までバンド名は「シド」で一時期決定していた? 結局、メンバーも知らないうちに「ALFIE(アルフィー)」になっていた……だと? 表記が今と違うしどういうこと!? 二転三転にオロオロ。“ある日”アルフィーになっていたとは、ダジャレ的にもオチが見事すぎてビックリである。 ここからさらにアルフィーの表記が「ALFEE」→「THE ALFEE」に変わるのだが、情報も心も追い付かないので、悔しいが、バンド名問題の続きは次回に持ち越しである。
●「音叉」とのリンクがエモい!
このアルフィーのデビュー前のエピソードは、髙見澤俊彦さんの小説「音叉」と心地よくリンクする。「音叉」は若きバンドマンたちの青春が描かれているが、そのバンドのデビュー前の名も「グッド・スメル」という、臭い消し商品に由来する名前なのである。桜井さんの「コンフィデンス」のエピソードだ! つながって興奮した。 「音叉」には、70年代の音楽、安保で揺れた風景や夢や挫折がギュギュッと詰まっている。伝説のバンド「はっぴいえんど」も主人公たちの会話のなかに登場するのだが、アルフィーのデビュー曲をそのメンバーの一人、松本隆さんが彩っていることを考えると、なんともエモーショナル! 小説には、途中脱退する4人目のメンバー、やさしいムードメーカーの啓太が出てくる。もしかしたら、アルフィーの4人時代の懐かしい出来事も反映されているのかもしれない――勝手な想像ながら、心がじんわりした。