【大学野球】京大が初の開幕2連勝&単独首位 リーグ戦初白星の西宇陽は「サソリの毒」を研究
◆関西学生野球春季リーグ戦 ▽第1節2回戦 京大3―1関大(7日・わかさスタジアム京都) 京大が関大に連勝し、2022年秋の近大戦以来、3季ぶりに勝ち点を獲得した。関西学生野球連盟によれば、同校の開幕2連勝と単独首位は、1982年の新リーグ発足後では初めて。1回戦からの連勝は19年秋の同大戦以来、関大からの勝ち点は同じ開幕節の22年春以来となった。近大は関学大に完封勝ちし、1勝1敗とした。昨年11月に就任した光元一洋監督(49)は、リーグ戦初勝利を挙げた。 初の開幕2連勝を飾った瞬間、京大の選手たちは優勝したかのように大喜びした。昨秋Vの関大に快勝し、元ソフトバンク投手の近田怜王監督(33)は「出来過ぎ」と大興奮。4回2死一、二塁で代打の代打・小城翔太が2点目の適時打を左前へ放った。1点差に詰め寄られた9回2死二塁では、代打・岡本佳大が左前タイムリー。采配が的中した。 リーグ戦18連勝中だった154キロ左腕の金丸夢斗(4年)から1点をもぎ取り、完封勝ちした6日の1回戦に続いて、開幕前までリーグ戦0勝の投手陣が奮闘した。医学部の玉越太陽が3回無失点。農学部で「サソリの毒」の研究をしているという西宇陽(にしう・あきら)は4回2/3を1失点にまとめ、リーグ戦初勝利を挙げた。玉越は「(入学前で)勝ちを1回も見られていなかったので『こんな感じなんだ』と。連勝するとも思っていなかった」と他人事のよう。指揮官は「連投になるので、同じ投手でも同じ配球にならないように」と1回戦から捕手を代え「想像以上の結果」と、手放しで褒めた。 京大初の専属アナリストを導入し、22年春は同校最多タイの5勝(5位)と躍進したが、昨年は春秋で計1勝に終わった。新チーム発足後に、西村洪惇(こうじゅん)主将(4年)の「自己肯定感を含めて、人間力を高めた野球をしたい」という発案で、人間学誌「致知(ちち)」をテキストとして使うミーティング「木鶏会(もっけいかい)」を月に1回開催。記事について意見交換し、野球に生かしてきた。 21年11月の就任時から近田監督はリーグ優勝を目標に掲げていたが、今季は「全国1勝」に上方修正した。「高校野球の甲子園と同じ。大きく目標を掲げるべき」と玉越。旧リーグ時代の1939年秋以来、85年ぶり3度目のV、全日本大学選手権初出場も夢ではない!? (伊井 亮一) ◆京大野球部 大学創設直後の1898年(明治31年)に創部。旧関西六大学リーグ時代には1934年秋、39年秋に2度のリーグ優勝。京滋リーグ入り直後の63年秋からは8季連続優勝を果たしている。関西学生リーグ唯一の国立大学として、文武両道、質実剛健をテーマに京都市内の吉田グラウンドで練習に励んでいる。部員数は63人。
報知新聞社