あなたが生まれた日、世界ではなにが起こっていた? 『お誕生日新聞』で知る特別な1日
1993年12月6日の23時35分、私は神奈川県・座間市という田舎で爆誕した。 母いわく、「あんたはなかなかお腹から出てこなくて、ずっと階段を上り下りしてやっと出てきたのよ。生まれてきたら髪もフサフサだし爪も生えててびっくりしたわ!」とのことだった。母のお腹のなかは相当居心地がよかったらしく、私は完全に成長し切ってから「やれやれ」といった感じで、ようやくこの世に出てきたらしい。 【写真】1993年12月6日の新聞の一面 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。 ──というコンセプトの本企画だが、悲しきかな私は編集部のメンバーのなかでももっともテクノロジーに疎い。よって、企画会議で提案するネタはいつも、限りなく日常に近いテクノロジーに関するものばかりである。 そんな私がいま気になっているもの。それは『お誕生日新聞』だ。 『お誕生日新聞』とは、コンビニで過去の新聞をプリントできるサービスのことである。日付は誕生日や記念日、個人的に気になる日であればいつでもよい。「ファミリーマート」「ローソン」「ポプラ」のマルチコピー機で印刷をすることができる。料金は、新聞一面の片面印刷で500円、新聞一面とテレビ面の両面印刷で800円となっている。こんな身近な場所で印刷することができるということに、少し驚いた。 私がこの世に生まれた1993年12月6日、世界はどんな1日だったのだろうか。 願わくば、パンダの赤ちゃんが生まれたとか、子どもがおばあちゃんを助けたとか、そういう出来事が話題になるような、なんてことのない1日であることを願う。 ・平成の「米騒動」に、日韓で沸いた「ワールドカップ」 さっそく、「お誕生日新聞オンラインショップ」の公式サイトから印刷の手順を確認した。まずは、印刷したい日が新聞の休刊日ではないかどうかをチェックするようだ。 (参考元:https://shinbun20.com/cvs/) 印刷できるのは、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、ジャパンタイムズ(英字)、沖縄タイムズの6種類だ。今回、私は読売新聞を印刷した。 コンビニに走り手順通り発行したのだが、思ってる以上にドキドキする。ちなみに印刷方法はとても簡単だった。コピー機に表示されたコンテンツから「お誕生日新聞プリントサービス」を選択し、お金を入れて、印刷したい新聞の種類と日にちを選ぶだけである。 さっそく12月6日の一面を見ていく。私が生まれた日、世の中は「米の輸入自由化」で大騒ぎだったようだ。文面には、「コメ市場を固守するのが難しい状況になった」と記載がある。1993年から1994年にかけては、冷害により国産米の収穫量がかなり減ったという背景から、米の市場を開放する動きが強まったのだろう。 こちらはテレビ欄だ。テレビがアナログ放送からデジタル放送に切り替わったのは、2011年。1993年では、テレビ朝日はまだ10チャンネル、テレビ東京は12チャンネルだった。 そして広告には「2002 FIFAワールドカップ」が取り上げられていた。日本と韓国での共同開催ということもあり、世の中は盛り上がっていたのだろう。 そして21時からは、木村拓哉も出演していた「あすなろ白書」(フジテレビ)を放送していたようだ。当時、最高視聴率は31.9%だったという。それがどのくらいすごいことなのかいまいちわからなかったので、馴染みのある作品のなかから調べてみると、「逃げるは恥だが役に立つ」(TBSテレビ)の9話が30%を記録して話題になったことがあった。当時の「あすなろ白書」は、そのくらいの人気を誇っていたのだろう。 まだまだ注目したい箇所はあるのだが、今回紹介するのはこのあたりにしておこう。総括して私の生まれた1993年12月は活気に溢れた世の中だったようで、少し嬉しくなった。ぜひ機会があれば、気になる日の新聞を印刷してみてほしい。手順も非常に簡単なので、気軽にちょっとしたワクワク感を楽しめるはずだ。
はるまきもえ