日本を世界で勝たせたい。アジアで始めた「当然の無謀」:大槻祐依
当たり前にグローバル
■当たり前にグローバル 「若くて、女性の私が、リーダーをやっていていいのか」。アジアを飛び回る大槻は、ベトナムに着くと、現地メンバーから涙ながらに相談を受けた。初めてのマネジメントへの戸惑い。「大丈夫。思っていることを、本気で伝えたらいいよ」と背中を押した。平均年齢26歳のFinT。若者がすぐ活躍できる組織は、必然的に、変化に強い組織になるはず。そう考え、創業以来、平均年齢の低い組織づくりにこだわってきた。「最近、ベトナムの組織が面白くなってきました。日本でFinTが伸びた時と似てるんです」。メンバーの挑戦と成長を語る時、大槻の顔は最も活き活きする。若いメンバーを信じ、チャレンジの受け皿となる組織をつくる。その姿勢にも、国境はない。ベトナムでも、TikTok運営のByteDanceベトナムから転籍したメンバーをはじめ、1年で優秀な若者チームができた。「海外でも再現性を持って、組織の土台をつくれた」と、胸を張る。グローバルな組織基盤をつくれなければ、グローバル企業にはなれない。だから、覚悟が決まれば、すぐ海外へ出た。広告代理業を強みに、あらゆる事業を仕掛けるグローバル企業へ。自社プロダクトの開発も進む。 「欧米にも必ず進出します。みんなの強みを活かして、日本を、世界を前向きにしたい」。無謀と言われる挑戦を、足元から着実に積み上げるのが大槻流。狂ってなどいない──グローバル企業の夢は、当たり前の積み重ねの先にある。世界に日本の旗を立てるように、事業を進める。 おおつき・ゆい◎FinT Inc.CEO。1995年生まれ。早稲田文化構想学部卒。Forbes 30 Under 30 Asia 2024選出。経産省等主催「ASEAN JAPAN GenerationZ LeadersCommunity」日本代表。 ワンピース86900円/メイメイジェイ(エスケーシーTel:060-6245-3171)※パンプスは、本人私物。
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