明智光秀にくみした戦国武士の動向、古文書から追う 京都府丹波地域の郷土史研究家が年刊誌
郷土史を研究する丹波史談会が、年刊誌「丹波」26号を発行した。戦国時代の山城や明智光秀に関する論考、民俗や風習を伝える江戸時代の地誌の読解など会員による研究成果を収めた。京都府南丹市内で17日に開く発表会(入場無料)や地元書店で売る。1冊千円。 【写真】明智方の拠点だった神尾山城跡 丹波を中心に歴史に関心のある30人でつくる同会。年刊誌には、毎月開く例会で発表され、質疑も経た論文などを掲載している。 26号は、光秀にくみした地元武士たちの動向について丹波に残る古文書から追ったり、神尾山城(京都府亀岡市宮前町)など明智方の拠点だった遺構を紹介したりする研究を載せた。 江戸時代後期に書かれたとみられる南丹市日吉町の地誌「世木史略」から生活を探る論文もある。竹籠作りが盛んだった村では法要や縁日に合わせ、老若男女が茶飲み話をしながら籠を編む風習があったとする。 同市園部町出身の実業家で奨学財団を設立して地元の人材を育てた樋口勇吉の紹介もある。 上野榮二会長(89)は「読みやすい文章やレイアウトにこだわった」。編集委員長の小畠寬さん(87)は「若い人もぜひ会に加わって」と呼びかける。 発表会はアスエルそのべ(同町)で17日午後1時半から。予約不要。問い合わせは同会の浅田徹雄さん090(2066)3441。